1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

楽天モバイルの契約数が好調 なぜ法人も個人も伸びているのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月29日 7時0分

●契約数が好調な3つの理由

 楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は2024年5月に行った「2024年度第1四半期決算説明会」の中で、契約数が好調な理由として(1)法人加入の増加、(2)個人加入の増加、(3)脱退(解約)の大幅改善、の3点を挙げている。

 法人については、中小企業だけでなく大手や自治体での導入も進んでいる。提供する7つのプランのうち、特に「音声+データ無制限プラン」(月額3278円)が好評で、直近ではオプションやソリューションサービスも幅広く提供するなど、法人顧客の多様な業務形態に対応できるよう、幅広いサービスを取りそろえている。

 個人向けには、2月に家族全員の月額料金が110円引きとなる「最強家族プログラム」、3月に22歳までなら追加で実質110円引きとなる「最強青春プログラム」、5月に12歳まで実質月額480円の「最強こどもプログラム」を発表。「春商戦に向けてタイミング良く各プログラムを打ち出せたことで、家族契約の割合が2倍、学生の契約数が増加しました」

 SNSを活用した楽天モバイル社員による紹介キャンペーンも好調だ。こちらは三木谷氏自らがXなどを通じて告知している紹介キャンペーンと同様に、従業員紹介のURLから申し込むと通常のキャンペーンよりも多くの楽天ポイントが付与される。一部では“どぶ板営業”とも表現されているが、こうした取り組みも700万回線の突破に大きく寄与しているという。

 その他、楽天グループ間のシナジーを活用した施策にも力を入れている。3月と6月には楽天カードと楽天モバイルが共同で、期間中に楽天カードの新規入会&利用で1万ポイント、楽天カード会員限定で楽天モバイルに初めて申し込み&開通で2万ポイントを付与する「楽天マジ得フェスティバル」を開催した。

 対象となる楽天グループのサービス利用に応じてポイント付与率がアップするSPU(スーパーポイントアッププログラム)では、2023年12月から楽天モバイルを契約しているだけで楽天市場での買い物時にポイントが+4倍、キャリア決済をしていれば、さらに+2倍になるなど、優遇措置を図っている。

 このような複数の取り組みの結果、法人および個人についても契約数が順調に伸びているようだ。

 担当者はこれまでの取り組みについて、次のように振り返った。「サービス開始当初に比べて、低廉でシンプルな料金プランやデータ無制限プランなどが好評を得ています。一方で、後発であるということもあり、品質に懸念を持つユーザーが一部いたことも認識しています。プランをアップデートしたり、サービス内容を拡充したり、ネットワークの品質を向上させたりしたことで、ユーザー数が増え、当初の懸念が払しょくされるようになったことも大きいと感じています」

●念願の黒字化に向けて

 700万回線に続く次のステップとして期待されるのが、800万回線や楽天モバイルの単月黒字化だ。

 三木谷氏は1月25日に行われた「新春カンファレンス2024」の中で、損益分岐点の目安となる800万回線を「2024年中に達成見込み」と語り、前出の「2024年12月期第1四半期決算」の中でも「黒字化目前」をアピールしていた。

 単月黒字化に向けては、契約数と月間平均収入(ARPU)の増加がポイントとなるが、同社では主要KPIとして契約回線800万~1000万、ARPU2500~3000円を目標に掲げている。ちなみにARPUは、2024年3月時点で2024円だった。

 通信品質の向上や5G対応エリアの拡大、屋内でのつながりやすさの改善など、各種施策と合わせることで、今後はどうなるか。注目したい。

(熊谷ショーコ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください