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爆買いは「深夜」に起きる 渋谷ドンキの"一人勝ち"営業

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月29日 11時20分

爆買いは「深夜」に起きる 渋谷ドンキの"一人勝ち"営業

MEGAドン・キホーテ渋谷本店

 日本政府観光局によると、6月の訪日客数は過去最高の313万人を記録した。4カ月連続で300万人を超え、インバウンド需要は活況を呈している。「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」(以下、渋谷ドンキ)はこうした波に乗り、多額の“外貨”を稼ぎ出しているようだ。

 商業施設がひしめく渋谷駅周辺はライバルも多いはずだが、右肩上がりを続ける要因は何か。ドンキなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)のインバウンドサポート部、秦基記(はた・もとき)部長に聞いた。

●免税対応レジを大幅増設、受け入れ態勢を強化

 PPIHのDS(ディスカウントストア)事業における、2019年6月期(2018年7月~2019年6月)の免税売り上げは約684億円だった。2024年6月期は、3Q終了時点(2023年7月~2024年3月)で既に約813億円に上っている。

 コロナ前から同社はインバウンド専門部署を設けるなど、インバウンド対応に注力していたが、直近はさらに受け入れ態勢の強化を進めているようだ。渋谷ドンキで免税販売に対応する7階では、免税対応レジを10台以下だったところから25台に増やした。

 外国語対応として、英語、中国語、韓国語を話せるスタッフを7階に配置。他のフロアでもスタッフに貸与しているスマホに翻訳ツールを入れ、簡単なコミュニケーションを取れるようにしている。

●「爆売れ」する商品は?

 百貨店では円安を追い風に、高級ブランドなど高価格帯の商品が売れている。対してディスカウントストアであるドンキは、売れる商品の傾向も異なる。最も売れている商品ジャンルは菓子類、日焼け止めなどの化粧品関連だ。

 一方で、かつて「爆買い」の対象だった家電関連商品は、コロナ前ほどの勢いはないという。「家電の売れ行きは2019年当時と比べると少し勢いが落ちている印象。例えばドライヤーなど高価格帯の理美容家電がかつての売れ筋だったが、当時と比べると販売額は減っている。買うものの傾向が確かに変わってきているなと感じる」(秦氏)

●認知度高まった背景に、海外進出

 渋谷ドンキでは、入口前で写真を撮る人も多数いた。秦氏は、渋谷の観光名所であるハチ公像、スクランブル交差点のようにドンキも“観光地化”しているのではないかとした上で、そうなった理由として「海外出店」が影響しているのではないかと分析する。

 「東南アジアを中心にドンキの海外業態『DON DON DONKI(ドンドンドンキ)』がオープンしたことも関係しているのではないか。DON DON DONKIは日本のドンキとは全く雰囲気が異なるのだが、SNSなどでそれを知り、『日本に行くなら日本のドンキにも行ってみようと思っていた』と答える人は多い。海外進出の副産物だと思う」

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