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「バスに乗らないバスガイド」が活躍 HIS沖縄、人手不足をどう解消?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月20日 9時0分

「バスに乗らないバスガイド」が活躍 HIS沖縄、人手不足をどう解消?

エイチ・アイ・エス沖縄は2024年5月からリモートバスガイドを実装した

 さまざまな業界で人手不足が叫ばれており、その相棒として「テクノロジー」が続々と採用されている。

 旅行業界では、バスガイドの減少が目立つ。修学旅行やバスツアーに欠かせない存在だが、新型コロナウイルス禍における離職や高齢化の影響を受け、減少傾向が続く。日本バス協会が2021年7月に実施した調査によると、バスガイド数は2605人で、前年比77人減となった。

 そこで新たに生まれたのが、ガイドがバスに搭乗せず、遠隔で案内をする「リモートバスガイド」という仕組みだ。これまでのバスツアーでは当たり前だった「1人1台」の景色が変わりつつある。

 新型コロナの5類化移行に伴い観光需要が一層の高まりを見せる沖縄で、リモートバスガイドを導入しているエイチ・アイ・エス沖縄(HIS沖縄)に話を聞いた。

●リモートバスガイド導入、どんなことが分かってきた?

 エイチ・アイ・エス沖縄では同社のツアー利用者を対象に、観光地巡りとアクティビティをセットで楽しめるシャトルバスを無料オプションとして提供している。そのシャトルバス内で2024年5月からリモートバスガイドを導入。リモートバスガイド付きで走らせたのはこれまでに15本ほど。

 「シャトルバス自体は毎日定期便として走らせています。リモートバスガイドとして案内をする際には、観光地の楽しみ方や沖縄の観光についてお話しします。那覇までの帰り道には星の話をすることもあります」(関直樹氏 執行役員 営業本部部長 兼 国内・インバウンド事業部 事業部長 観光バス事業・観光人材育成事業 統括)

 乗客がイメージしやすいように、スライドなどを使いながら話をするなど工夫を凝らす。実際の乗客と話したところ、おおむねポジティブな反応が多いという。すごく面白かったという感想をもらうこともあるようだ。

 リモートバスガイド導入の効果としては、スタッフの労働生産性の向上を実感しているという。これまでスタッフが店舗の受付カウンターで行っていた乗客それぞれに対する個別説明の時間もバス内でのアナウンスに集約させることで短縮につながった。

 現在、エイチ・アイ・エス沖縄内でリモートバスガイドを担当しているのは関氏のみだが、話が得意なスタッフの教育にも力を入れる。現在は社内の一画でリモートバスガイドをしているが、将来的には自宅から接続できたり、時短で働いたりなどの選択肢も考えているという。

●地元企業と連携し、リモートバスガイドシステム開発

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