LINEヤフーと出前館、即配サービス「クイックマート」リリース 生鮮食品を最短30分で配達

LINEヤフーと出前館、食品・日用品の即配サービスをリリース

　LINEヤフーと出前館は8月13日、生鮮食品や日用品の即配サービス「Yahoo!クイックマート」（以下、「クイックマート」）の提供を開始した。先行リリースとして都内の一部地域（港区、渋谷区、新宿区）でスタート。2024年中に、全国の出前館配達エリアへ拡大する予定としている。

　クイックマートは、LINEヤフーがアプリ・ブラウザで提供する「Yahoo!ショッピング」内で展開する。ユーザーはYahoo!ショッピング上で、対象エリア内のコンビニやスーパーなどで販売されている生鮮食品や日用品を選択し、注文および決済する。その後、出前館の配達員がストアで該当商品をピックアップし、最短30分で商品を配達するとしている。

　両社は2022年からアスクルと提携し、ダークストア型（実店舗を持たず、配送拠点のみを持つ業態）の「Yahoo!マート by ASKUL」を展開していた。コロナ禍による在宅時間の増加なども追い風となり、都内を中心に一定の成功を収めたという。

　クイックマートのリリースは、「タイパ」を重視する意識の広がりや、生鮮食料品店が近くになく、自動車も使えないといった「食料品アクセス問題」の顕在化を受けてのもの。出前館が持つ、配送拠点から各世帯までの「ラストワンマイル」の配達網とLINEヤフーの顧客基盤を生かし、提供エリア・商品の拡充を図りたい考えだ。

　ローソン、マルエツなどの小売事業者と連携して実店舗から商品を配達することで、これまでカバーが難しかったエリアへの配送や商品の取り扱いが可能になるという。また、出前館の配達員に対し、フードデリバリーの需要が少ない時間帯における収入機会を提供する意図もあるという。

　クイックマートのリリースに伴い、Yahoo!マート by ASKULは8月末にサービスを終了予定。また、出前館で展開してきた日用品配達についても、順次クイックマートへの切り替えを実施する予定としている。