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「一蘭の即席麺」外国人に爆売れ! 「売り上げを追わない」こだわりとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月15日 7時10分

「一蘭の即席麺」外国人に爆売れ! 「売り上げを追わない」こだわりとは

一蘭の人気の理由とは

 活況を迎えるインバウンド(訪日客)需要。インバウンドは日本滞在中にさまざまな体験や商品にお金を使う。「お土産」もまた需要の争奪戦が激化しているなか、訪日客から圧倒的な人気を誇るのがラーメンブランド「一蘭」の即席麺だ。その人気の実態や背景を一蘭(福岡市)に聞いた。

●外国人に圧倒的人気を誇る「一蘭」

 創業時から続く独自の「味集中システム」と、ラーメンづくりで用いる全ての素材を福岡県糸島市「一蘭の森」で一括製造するこだわりの味で、全国にファンを持つ一蘭。

 カウンター席を半個室に仕切った「味集中カウンター」や、オーダー用紙で簡単に自分の好みの味わいにアレンジできる「オーダーシステム」などを特徴とし、国内78店舗、海外8店舗を構える(2024年2月時点)。

 ラーメンが日本のグルメとして海外で定着した現在、一蘭はアジア圏からのインバウンドを中心に人気を博し、連日のように行列を成している店舗も見られる。同社担当者によると、「一蘭の独特な店舗レイアウトとオペレーションは、インバウンドからは『テーマパーク的』に映っている」という。2023年度の売上高は過去最高の355億6000万円を記録。コロナ禍前の288億円を追い抜いた。

 海外進出として、同社は2013年7月に香港で初の海外店舗を出店。現在は中国、台湾、ニューヨークに実店舗を構える。海外店舗でも国内店舗と違わない品質を維持するために、水は特殊なろ過装置を使って日本の基準に合わせている。また、味の要となる「だし」「赤い秘伝のたれ」は福岡県糸島から海外に直送しているという。

 こうした基準を満たせるエリアにのみ出店する方針のため、国内も含めて出店できない国や地域もあるそうだ。

●「お土産」商品も人気に

 一蘭のラーメンを自宅でも楽しみたいというファンの声に応えているのが、同社が独自に開発した即席麺である。

 一蘭専属の職人とエースコック社の研究者らが試行錯誤を経て、2014年に一蘭ラーメンの名を冠した初の即席麺商品「一蘭ラーメン ちぢれ麺」の発売にこぎ着けた。2016年には乾麺の「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」を発売。コロナ禍直前の2018~2019年ごろからインバウンドにも注目されるようになっていった。現在もインバウンド需要は伸びており、物販の売り上げにおける海外比率は、2022~23年で約30%増と右肩上がりだ。

 同社の物販データによると、外国人に売れている商品TOP3は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート 一蘭特製赤い秘伝の粉付(5食入)」「一蘭ラーメン ちぢれ麺 一蘭特製赤い秘伝の粉付(5食入)」「一蘭 とんこつ」だという。

●インバウンド対策は?

 こうしたインバウンド人気を受けて、直営店では商品説明や商品に関するQ&Aを多言語で作成している。

 加えて、マレーシアやインドネシアなど、一蘭が出店していない国へ一蘭の職人が出向き、お土産商品を調理して買い物客へ提供するイベントも実施している。「そこで一蘭の商品を食べた人の中には、日本へ旅行に訪れた時に『日本の一蘭を体験したい』と思う人もいるかもしれない」と一蘭の担当者は話す。

 インバウンドも含めた現在の一蘭人気について、同社はあくまで「数字は追いかけず、味と利用しやすい店づくりにこだわった結果」だと話す。インバウンド需要が同社の中で確実に存在感を増しているなか、どこまで売り上げを伸ばせるか。

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