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上場ゼネコン53社、過去最高の売上高も利益伸び悩む 6期連続で前年比割れ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月16日 5時10分

上場ゼネコン53社、過去最高の売上高も利益伸び悩む 6期連続で前年比割れ

上場ゼネコン53社の業績を集計、分析(提供:写真AC)

 ゼネコン各社における利益率の低下が顕著となっている。東京商工リサーチが発表した調査結果によると、上場している53社の2024年3月期における売上高合計は13兆6813億円で、集計を開始した2009年3月期以降、初の13兆円台となった。一方、営業利益は4367億円と、2019年3月期以来、6期連続で前期を下回った。

 ゼネコン各社はリーマン・ショック以降、2011年3月期を底として民需・公共事業に支えられ売上高が急上昇するとともに、利益率も改善した。しかし、2018年ごろを境に利益率が悪化傾向となっている。

 2024年3月期は、前期に続き、物価上昇による価格転嫁が売上増に寄与した。その結果、増収の企業が増えたものの、全体の利益率は低水準に落ち込む結果に。営業利益率・経常利益率・当期純利益率のいずれも前期から悪化し、採算性の向上が重要な経営課題に浮上している。

 売り上げと最終利益を前期比で見ると「増収増益」が23社(43.4%)で最も多く、次点は「増収減益」で16社(30.1%)。以下は「減収増益」の9社(16.9%)、「減収減益」の5社(9.4%)が続いた。

●受注残高、繰越工事残高は高止まり

 受注高は14兆5603億円と、3期連続で前期を上回った。14兆円台となったのは、2009年の集計開始以来初めて。種類別に見ると、建築工事が9兆2774億円、土木工事が4兆7736億円で、いずれも前期実績を上回った。繰越工事残高は4期連続で増加し、20兆1736億円だった。リーマンショック以降、初めて金額ベースで20兆円を超えた。

 2023年の建設業倒産は1693件で、2年連続で前年を上回った。コロナ禍で疲弊した中小・零細規模で倒産が相次ぎ、今後は人手不足による工事中断や工期の長期化も懸念される。東京商工リサーチは「業界全体のトップラインを形成し、周辺業者をけん引する上場ゼネコンの動向は、下請け・孫請けの幅広い業種で成り立つピラミッド構造全体にも影響が及ぶ」とコメントした。

 2009~24年の3月期決算を対象に、連続比較が可能な上場ゼネコン53社で単体ベースの業績を集計・分析した。

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