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電子契約を使っているのに、「ハンコ併用」8割超 なぜやめられない?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月2日 7時0分

電子契約を使っているのに、「ハンコ併用」8割超 なぜやめられない?

電子契約利用企業の実態調査(写真AC)

 契約手続きをシステム上で完結できる電子契約は、押印・郵送といった手間やコストがかからないのが最大の特徴だ。しかし、電子契約を使っていても、引き続きハンコも利用しているという会社は8割に上ると、弁護士ドットコム(東京都港区)による調査で明らかになった。ハンコの利用が続いている理由とは。

●「ハンコも利用」8割 特にどんな書類に残っているのか

 直近1年間で、ハンコを使う社外向け書類の手続きに関わった経験がある人は84.7%に上った。

 ハンコの使用頻度が高い社外向け書類には「契約書」が最も多く86.4%。次いで「公的な申請書類など」(43.5%)、「注文書」(39.0%)と続いた。

 社外でハンコの使用が続いている理由について、最も多い回答は「顧客や取引先の意向で電子化が難しいから」で65.0%に上った。回答者からは「先方都合によるもので当方ではどうにもできない」「電子印に抵抗がある顧客もいまだに多く、自社で対応できても推進できないケースがある」という声が寄せられた。

 その他には「制度的に押印が必要な文書がある」(35.6%)、「昔からの慣習で、変えることにコストがかかる」(20.3%)といった回答が上位になった。

 また「自治体は電子契約での対応が不可でいまだにハンコ」といったコメントも見られ、デジタル化を推進している行政手続きにおいても、ハンコを用いた手続きが残っていることが分かった。

 一方、同じく直近1年間で、社内向け書類においてハンコを使う手続きに関わった経験がある人は69.9%だった。

 ハンコの使用頻度が高い社内向け書類は「各種申請書類」が61.0%で、最多となった。次いで「議事録」(36.3%)、「稟議書」(30.8%)と続いた。その他、「ISO関連の記録類」「経理書類」といった回答も見られた。

●社内向け書類のハンコ利用が多い理由

 なぜ、社内向け書類においてハンコの使用が続いているのか。最も多い理由は「昔からの慣習で、変えることにコストがかかるから」で34.9%に上った。一方で「使いやすい電子化のシステムを導入できていないから」が27.4%と、使い勝手の良いシステムであれば導入する姿勢の回答も一定数見られた。

 その他にも「回覧文書が別組織から紙媒体で提供されるため」「導入できている手続きとできていない手続きが混在するから」など、同じ会社内でもシステム導入にばらつきがある様子が明らかになった。

 回答者からは「ハンコの押す向きで否定的な意見を持っていると上司が言い出した時は何事かと思った」「判子を曲がって押した時にやり直しを指示されるが、紙と時間、手間の無駄」「ハンコの方が丁寧という気配が残っている」といったコメントが集まった。

 ハンコの使用をやめるにはどうするべきだと思うか。最も多い回答は「使いやすい電子承認・契約システムが普及する」で27.4%。その他、「制度的に押印の必要な書類が電子化される」(23.3%)、「社会全体のDXが進んで、対外的なやりとりも含めて、押印に否定的な意識が高まる」(22.6%)といった回答が上位となった。

 調査は6月14~25日にインターネットで実施。同社が提供する契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサインR」の導入企業209社から回答を得た。

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