マック、モス、セブンも……。あらゆる分野で「店舗の小型化」が進んでいる、3つの理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月21日 10時40分
スモール・イズ・ビューティフル。経済学者のエルンスト・フリードリヒ・シューマッハーが1973年に著した世界的ベストセラーで語られていたことが、半世紀を経て再び注目されている。
これまでの常識では「モノを売るには店舗は大きければ大きいほどいい」とされてきた。巨大なイオンモールやコストコができると、遠方からも客がわっと押し寄せて大盛況。家電量販店でもパチンコ店でも「地域最大級」をうたえるかは、店の売り上げにかかわる重要なポイントだった。
しかし、そんな“大型店信仰”のムードに変化の兆しが訪れている。日本国内のさまざまな有名企業が「小さいことは良いことだ」と言わんばかりに「店舗の小型化」を推進しているからだ。
まず、筆頭はコンビニ王者のセブン-イレブンである。2024年の春からオフィスのスペースを利用したコンパクト店舗や、地方の工場を対象に従来の4分の1ほどの店を出店している。
もともとコンビニ業界ではミニストップが2020年からオフィス内などに無人の小型店「ミニストップポケット」を始めていた。そこに“王者”も本格参入してきたというわけだ。
●モスやマックも小型店を出店
小型化の動きはファストフードの世界にも見られる。モスバーガーを運営するモスフードサービスは8月9日、新業態の小型店「Stand by Mos(スタンドバイモス)」を東武東上線池袋駅の改札内にオープンした。この店はハンバーガーもポテトも扱っておらず、主に規格外品などで廃棄されてしまう野菜を使用した飲料を扱う、いわゆる「ドリンクスタンド」だ。
そして“ライバル”のマクドナルドも実はひっそりと「店舗の小型化」の実証実験を進めている。東京の地下鉄東西線早稲田駅の前にある「チョコザップ」が入っているビルの1階には、イスもテーブルもない小さなマックがある。ここは「早稲田駅前ANNEX店」というデリバリー/テークアウト専門店。現在は京急空港線の糀谷駅前にある「糀谷駅前ANNEX店」の2店舗しかないが今後、小型店舗が増えていくのは間違いない。
米マクドナルドがそのような方針を打ち出しているからだ。
2023年12月、米マクドナルドでドリンクメニューに特化した新業態の小型店「CosMc's(コスマック)」がスタートした。軽食も少しは用意しているが、この店のウリはバラエティーに富んだドリンク。ドライブスルーなどで提供するのでイスもテーブルもないのだ。
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