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マイクロソフト「Copilot+ PC」の衝撃 「AI PC」が起こす地殻変動

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時13分

マイクロソフト「Copilot+ PC」の衝撃 「AI PC」が起こす地殻変動

「DXフォーラム2024 パーソナルAIの未来」で講演した日本マイクロソフト業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏

 生成AIをPC本体に組み込んで性能を向上させたAI内蔵PC(AI PC) が今後、普及していきそうだ。日本マイクロソフトは先頭を切って日本市場にAI機能を付けた「Copilot+ PC」を投入。個人向けには6月に発売し、家電量販店や各社オンラインストアで販売している。

 法人向け「Copilot+ PC」はOEM各社によってコンディションは異なるものの、「Surface」の法人モデルは9月10日から出荷するという。この他のPCベンダーも同様のAI PCを投入してくる見通しで、AI PCの競争が激化しそうだ。

●Windows10サポート終了が追い風 法人市場で存在感

 これまでのPCではインターネットにつないで、クラウド上にあるAIを使っていた。だがAI PCでは、本体にAIを内蔵したことによって処理スピードを速め、従来はなかったアプリなど新しいサービスの提供が可能になる。加えて2025年10月にマイクロソフトのWindows10のサポートが終了することもあり、特需の発生も予想されていて、2026年度以降はOS更新も加わってPCの販売台数は大幅に伸びそうだ。

 MM総研の調査では、2024年度は8%ほどの法人市場におけるAI PCの比率が、2025年度には18%まで増加。2028年度には65%にまで上昇するとみている。企業の規模別にみると、IT、AI人材を採用できている大手企業(従業員数が3000人以上)は80%が生成AIを積極的に活用しようとしている一方、従業員数が25~300人の企業では40%台にとどまるなど、企業規模により取り組み姿勢に違いがみられるという。

 マイクロソフトなどの調査によると、職場でのAI利用の割合が日本は32%と、欧米などと比べると低い結果になっている。PCに内蔵させることによってAI利用のハードルを下げ、マイクロソフト製品を普及させたい狙いがある。

 Copilot+ PCには、超高速のCPUに加えてNPU(ニューラル・プロセシング・ユニット)と呼ばれる大手半導体メーカー・クアルコムが開発した最新のチップ「SnapdragonXElite、XPlus」を搭載している。このチップは1秒間に40兆回の操作を実行できる性能があり、これによりリアルタイムの翻訳や画像生成などが瞬時にできるという。

 節電機能も優れており「Surface Laptop」(第7世代)は1度の充電で最大20時間、「Surface Pro」(第11世代)では、最大で14時間の稼働ができる設計にした。価格も「Surface Laptop」(13.8インチモデル)では20万7680円と低く抑えている。

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