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マイクロソフト「Copilot+ PC」の衝撃 「AI PC」が起こす地殻変動

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時13分

 一方、米半導体大手インテルは、NPUを組み込んだ最新のプロセッサー「Core Ultra」を発表。PCメーカーはこれを内蔵したAI PCを投入してきていて、競争は一層激化しそうだ。

●AIによる画像生成 画面を自動録画する「リコール機能」

 7月1日に東京で開催された「DXフォーラム2024 パーソナルAIの未来」で講演した日本マイクロソフトの佐藤久業務執行役員デバイスパートナーセールス事業部長は「Copilot+ PCは、生成AIが搭載されたことにより、これまでPCで日常的に実行していた『検索』する作業から『AIに対して質問する』ことが多くなる」と話す。このため「まずは、質問の仕方を覚える必要がありますが、自然言語で質問できるため、専門的用語を覚える必要はない」と指摘した。

 Copilot+ PCの新たな機能には、AIによる画像生成がある。例えば「女性が笑っている」「青空の下の窓辺」などと作成したい画像のイメージをテキストで入力し、手書きでイメージを伝えるだけで簡単に画像を作成できるようにした。

 もう一つのメリットとして、5秒ごとにPCのスナップショットを作成する「リコール機能」がある。

 「このPCは5秒ごとにユーザーが操作してどの画面を見ていたかを録画しているため、記憶の断片を手掛かりとして、過去に表示したPCの画面を再度見つけられます。自然言語を使用して検索したり、時間をさかのぼってスクロールしたり、テキストと視覚的な一致から探している場面に戻れます。すべて録画されるのは好ましくないというユーザーは、フィルターをかけることで録画を排除することもできます」

 外国人と会話をするときなどは、リアルタイムで翻訳してくれる外国語翻訳機能もある。クラウドを使っていた従来よりも翻訳スピードを速め、翻訳の質も向上させた。日本語への対応時期は未定ではあるものの、44カ国語から英語への翻訳ができるという。

 気掛かりなセキュリティについては「Windows11が搭載されているため、セキュリティの脅威に対しては最も安心できるOSです」と自信を示した。AIの活用に関しては「無償で生成AIを使うことができます」と述べ、あらゆる業務面で生成AIの利活用ができるとしている。

●市場をリードしたい狙い

 ChatGPTを2022年11月にリリースした米オープンAIとビジネスパートナーの関係にあるマイクロソフトは、AI PCを売り出すことによって、世界の市場をつかみ取りたい狙いがある。生成AIが世の中で使われるようになったことで、PCやスマホにも「標準装備」されるのは時間の問題だ。

 今後はAIを搭載したPCやスマホで、いままでにない新しいサービスを提供できるかどうかが勝負の決め手になってきそうだ。マイクロソフトとしてはWindows10のサポート停止と合わせて新商品を出すことで、OS更新の特需を獲得したい思惑もある。AI体験が普及し生産性が向上することによって、PCが自分の相棒のようになっていきそうだ。

(中西享、アイティメディア今野大一)

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