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山善の「焼肉グリル」が49万台を突破 小さくなった最新モデルの開発秘話

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月22日 6時10分

 風量が低下する中で煙の抑制効果を高めるため、プレートの形状を約4回作り直すなど、試行錯誤を重ねた。当初はプレートに複数の穴を開けていたが、それだと煙が一度下に潜り込んでから上に出てくる問題があった。

 穴の数、位置、大きさを調整し、「XGRILL STORM」では穴を中央に1カ所だけにする仕様とした。これにより、煙が下に潜り込まずに上に流れるようになったという。設計には約2カ月を要したが、小型化しながらも、高い吸煙性能を実現した。

●拡大する焼肉グリル市場と新たな課題は?

 XGRILLシリーズは、2020年に第1弾を発売して以来、シリーズ累計で約49万台を販売している。近藤さんは「当初はコロナ禍による巣ごもり需要もあり、予想以上の売れ行きだった。生活が正常化した現在でも、煙や油はねを気にするユーザーのニーズに応えられているため、コンスタントに売れ続けている」と分析する。

 シリーズの中で特に売れているのは、最初に発売した「XGRILL」だ。手頃な価格設定が好調の要因となっている。売上高で見ると、「XGRILL PREMIUM」が最も高い。「XGRILL PREMIUMが最も煙の抑制効果が高く、ユーザーからも評価されている」と近藤さんは語る。

 焼肉グリル市場全体を見ると、煙の抑制に特化した製品が増えている。しかし、煙や油はねの軽減はできているが、においの軽減はまだ十分ではないことが課題だ。

 同社によると、においの軽減は技術的には可能というが、5年近くの開発期間でも実現できていない難しい課題といえる。

 今後の展開について、既存商品のリニューアルを行いながら、においの問題を解決できる製品の完成を目指している。さらに、さまざまな利用シーンに対応できる製品ラインアップの拡充も計画しているという。

 「ユーザーのニーズに合わせて、家庭での普段使いから多様な場面で活用できる製品を提供していきたい」と近藤さんは意欲を示した。

(カワブチカズキ)

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