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イオンのセルフレジ「レジゴー」はなぜ好調? 客単価が1.3倍になったワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月22日 8時10分

●課題は従業員の温度差

 導入後に見えた課題としては、店舗ごとに利用率の差が出ている点が挙げられる。レジゴーの利用率は全国平均で20%を超えているが、地域別で見ると北関東、東海、中四国が高く、エリアごとにバラツキがあるのだ。

 「原因は地域性というよりは、導入時の店舗従業員の取り組み姿勢により格差が発生していると考えています。どうやって従業員の意識を高め、顧客へのアプローチを継続的に実施するかは、現在も課題として取り組んでいます」

 例えばレジゴーの利用率が全国で最も高い島根県の「イオン大田店」では、導入時にレジ担当者だけでなく全従業員に使い方を説明し、誰もが顧客にレジゴーをおすすめできるようにしている。導入後は定期的に顧客向けのレジゴー体験会を開催し、また従業員自身も買い物をする際にレジゴーを使用することで、顧客への販促活動につながっているという。

 「店長や課長、レジ責任者が主体となって全館を挙げての取り組み体制が利用率向上に直結すると考えています」

●予想外の効果「客単価の上昇」はなぜ起きた?

 そんな中、予想外の効果として生まれたのが客単価の上昇だ。通常レジに比べて、レジゴーの客単価は1.3倍高くなっている。

 レジゴーでの買い物は、アプリがインストールされた専用端末または自身のスマートフォンで顧客自身が商品名と合計金額を把握しながら買い物ができる点が特徴となる。そのため導入前は、顧客が買い過ぎ防止を意識して客単価が下がることを懸念していたという。

 ところが実際導入すると、買い忘れの防止や、まとめ買いでもレジ待ちせずに会計できること、家族みんなで楽しみながら買い物できることなどが評価され、結果として同社では客単価の上昇につながったと分析している。

●さらなる利用率向上、利便性向上に向けて

 導入店舗数の増加や利用率、レジゴーの認知度が上がる中、エリアによっては新規導入の際に「レジゴー自体を知らない」「デジタルの操作に抵抗がある」といった人がまだまだ多いのも事実だという。

 「特に機械操作やデジタルツールに苦手意識を持たれている方、レジゴーのメリットを認識されていない方は、まだ利用していない状況にあります。一方でレジゴーは小さなお子さまから年配の方まで幅広い年齢層が利用しており、一度利用してメリットを体感してもらえれば、年代関係なくリピート率も高くなっています」

 同社ではよりスムーズな買い物体験を実現するため、直近では9月以降にイオングループのトータルアプリ「iAEON」と連携し、同アプリ内でレジゴーが利用できるように開発を進めている。

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