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米国で物議「デジタル限定クーポンは消費者に不誠実」 日本にも波及する?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月26日 6時5分

米国で物議「デジタル限定クーポンは消費者に不誠実」 日本にも波及する?

小売りのオペレーションDX、最適な方法は

 消費者の生活を支えるスーパーやドラッグストアなど、小売り店を取り巻く環境は日々変化しています。中でも人手不足の問題は深刻で、その対応のためにリテールDXの重要性が増しています。

 リテールDXの中で先行しているのは、セルフレジなど省力化のための「オペレーションDX」です。このオペレーションDXは人手不足への対応のための省力化手段であり、マイナス状態をフラットに戻す役割(ペインリリーバー)としての面が大きいでしょう。

 リテールDXにはもう1つ、「マーケティングDX」という種別のものがあります。これは来店者へのアプローチやコミュニケーションをDX化するというもので、小売りにとっては状況をプラスに転換させる役割(ゲインクリエーター)を担います。

 今回はこのマーケティングDXについて、どのような施策を展開するべきか、重要なポイントを紹介します。

●そのデジタル化、知らぬ間に顧客を排除していないか?

 この議論を始める前に、マーケティングDXが何を実現するものかについて簡単に紹介します。かつて、小売り店におけるマーケティング施策はフィジカル(物理的)なものが中心でした。折り込みチラシ、店頭POP、アイランド陳列、エンド陳列などが挙げられます。

 マーケティングDXは、これらの活動にデータをかけ合わせて顧客体験の向上を目指します。「顧客の購買履歴を分析し、パーソナライズしたオファーを提供する」といった施策がその代表格です。

 マーケティングDXが進むにつれ、メッセージングの手段もデジタル化してきています。皆さまのスマートフォンには、スーパーやドラッグストアの会員アプリはダウンロードされているでしょうか。この会員アプリもマーケティングDXの一種です。

●全員が会員アプリを使ってくれるわけではない

 しかしここで一つ、気を付けなければならないことがあります。

 流通経済研究所が2023年7月に実施した消費者調査によると、スマートフォン所持者のうち、小売り企業のアプリを利用している人の割合は業態別にドラッグストアが37%、スーパーマーケットが29%、コンビニエンスストアが27%という割合にとどまっています。

 筆者の企業が支援しているとある小売り企業では、かなり多彩な会員化・利用率向上施策を行っても、利用率40%をやっと超えるかどうかという状況です。中長期的な視点で会員アプリを推進することに異論はありませんが、アプリではリーチできない顧客も相当数存在することは念頭に置くべきでしょう。

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