1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

YOSHIKIが描く「AIと音楽ビジネス」の未来 日本主導のルール整備はなぜ必要か

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月31日 14時53分

YOSHIKIが描く「AIと音楽ビジネス」の未来 日本主導のルール整備はなぜ必要か

音楽プロデューサーのYOSHIKIが、AIを用いた本格的なサービスに乗り出した

 音楽プロデューサーのYOSHIKIが、AIを用いた本格的なサービスに乗り出した。

 8月1日には、新しいファンコミュニティーサービス「YOSHIKI+」を開始。YOSHIKIとの会話を疑似体験できる機能「AI YOSHIKI」や、Zoomを使ったコミュニケーション「+FAN MEETING」などを、年内に導入するという。

 AIはすでに、音楽を始めとしたエンターテインメント業界に影響を与え始めている。大量の著作物を学習データとして使用しているため、AIによって生成した音楽は「誰が作ったものなのか」という点で著作権の問題をはらむ。AIに依存することによって、作曲家の創造性を失わせる可能性があるともささやかれる。

 エンタメにおけるAIの在り方について問題意識を持つYOSHIKIは、その活用方法について警鐘を鳴らしてきた。2023年2月には米スタンフォード大学で「世界のエンターテインメントとソーシャルテックの未来」と題してAIについて講演。2024年9月には米Salesforceがサンフランシスコで開催するAIクラウドプラットフォームイベント「DREAMFORCE 2024」で、米国の国家人工知能諮問委員会のメンバーである同社のPaula Goldman氏と討論する予定だ。

 日本を代表する作曲家・音楽プロデューサーでもあるYOSHIKIに、エンタメ業界でのAI活用の可能性と課題をインタビューした。

●YOSHIKI「AIによって著作権などの権利はほぼ崩壊した」

 YOSHIKI+は、AIやPodcastを使ったコンテンツや、オンラインを介した本人とのコミュニケーションを可能にするファンコミュニティーだ。チケットの優先予約のほか、限定商品も販売する。会費はスタンダードを月額880円、プレミアムを1760円に設定した。

 メインコンテンツになるのは「AI YOSHIKI」だ。複数の企業が参画する「AI YOSHIKI PROJECT」では、YOSHIKIの映像、音声、大規模言語モデル(LLM)などAI技術を活用してバーチャルヒューマン化したYOSHIKIを制作。113の言語対応を予定し、YOSHIKI+の新サービスとしてファンとの自由な会話を実現する。

 音楽業界は、レコード、CD、ネット配信など上位互換による技術革新が頻繁に起こった業界だ。AIが与える影響についてYOSHIKIに見解を聞くと「作曲家の観点だけから見ると、AIは脅威です。すでにAIが作曲していますからね。破滅的に業界が変わると思います」と危機感をにじませた。一方、生成AIによって起こるハルシネーション(幻覚)には、偶然による新たな可能性も見いだしているようだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください