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日傘とハンディファンが一体化!? 両手がふさがらない「ファンブレラ」完売、開発時の工夫とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月26日 12時0分

日傘とハンディファンが一体化!? 両手がふさがらない「ファンブレラ」完売、開発時の工夫とは?

サンコーの「折りたたみファンブレラ」が注目を集めている(提供:ゲッティイメージズ)

 家電メーカーのサンコー(東京都千代田区)が手掛ける、ファンが付いた日傘「折りたたみファンブレラ」(メーカー希望小売価格6980円)が注目を集めている。今年は梅雨が長かったため初動は遅かったものの、梅雨明けから売り上げが増加。8月上旬に用意していた2500本が完売した。暑さ対策の定番アイテムである日傘に、なぜファンを付けたのか? 同社に話を聞いた。

 折りたたみファンブレラは、傘の内側中央部にファンを搭載した折りたたみ日傘。日傘ではあるが、防水加工を施しているので急な雨にも対応可能だ。日傘を開いた状態で持ち手部分の電源ボタンを押すと、ファンが回転し風を送る。風の強さは強弱の2段階で、ボタンを押すごとに弱→強→電源オフ→弱と切り替えられる。

 ファンを動かすためのバッテリーは、持ち手部分に搭載。USB充電式で約4.5時間で充電完了となる。強モードなら約1時間30分、弱モードなら約3時間使用可能だという。充電部は防水キャップを付属し、雨天でも使用可能だ。

 サイズは使用時が全長約60センチで、傘の直径は106センチ。カラーはネイビー1色のみとした。同社広報部のえき晋介氏は「近年は男性の日傘利用が増加しているため、男性でも使いやすい大きめのサイズかつ、男女兼用でも違和感のないカラーを採用した」と話す。

 折りたたんだときの全長は約39センチで、カバンに収容しやすいコンパクトサイズにこだわったという。重量約460グラムで、実際に持ってみると、日々日傘を使用している筆者でもあまり違和感のない重さだった。

●日傘とハンディファンを一体化

 折りたたみファンブレラ開発のきっかけは、日傘とハンディファンの両方を使っているユーザーがいたことだった。「少しでも涼しくしたいと思っての行動なのでしょうが、日傘とハンディファンで両手がふさがってしまい不便です。ならば日傘とハンディファンを一体化しようと思い付きました」

 気軽に持ち運べるようにするため、日傘は折りたたみタイプにする必要があった。そのためファンには3枚羽を採用し、折れないように工夫している。また、安全面に考慮し、羽根が回っている状態で万が一閉じても、自動的に羽根が止まるよう設計した。閉じた状態で電源ボタンを押しても、羽根は回らないという。

 持ち手の部分にあるバッテリーとファンをつなぐケーブルにも、ある工夫を施した。「折りたたみ傘なのでシャフト(傘の中心に位置する棒のこと)も伸び縮みできなくてはなりません。そのためシャフトの中に通っているケーブルも伸縮に耐えながら、絡まないようにする必要がありました」(えき氏)。そこで、ケーブルをらせん状にすることで、自由に伸縮することと絡まないことを両立した。

 また、ファンの風が髪を巻き上げ、羽に絡まらないよう目の細かい網を設置。ユーザーの安全性にも配慮した。

 えき氏は「傘は弊社の強みであるEC向きの商品ではない」と話す。傘を購入する際は、使い心地や畳みやすさ、かばんに入るかどうかなど実際に手に取って比べたい消費者が多いからだ。折りたたみファンブレラは同社にとってチャレンジングな商品だったが、連日の猛暑を追い風に生産分が完売するなど好調となった。暑さ対策の定番アイテムである日傘に、「ファン付き」という新しい風が吹くかもしれない。

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