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誰が牛丼チェーンの王者になるのか? 飽和状態の「牛丼御三家」 三者三様の取り組みに迫る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月30日 6時15分

誰が牛丼チェーンの王者になるのか? 飽和状態の「牛丼御三家」 三者三様の取り組みに迫る

牛丼御三家、それぞれの戦略を見ていく

 牛丼御三家といえば、誰しも吉野家・松屋・すき家の3チェーンを思いつくだろう。いずれも同じ牛丼チェーンではあるものの、メニューや立地面では相違点も多く、例えば後発のすき家であれば、ロードサイドを開拓してトップへと上り詰めた。

 御三家がしのぎを削っている中、近年の牛丼市場は以前ほどの拡大を見込めなくなっており、各社はこれまで以上にさまざまな施策を進めている。本記事では、近年牛丼御三家が進める新規路線について解説していく。

●後発のすき家が一気に店舗数を拡大、1位を堅持

 吉野家は1899年に創業した牛丼店をルーツとし、1959年から現在のような低価格路線に踏み切った。その後、資金繰りが悪化して倒産したこともあったが、見事再生し、現在に至る。松屋のルーツは1966年に開業した中華飯店。これがうまくいかず、当時勢力を伸ばそうとしていた吉野家にならって1968年に牛丼店をオープンした。以降、吉野家と同じように勢力を伸ばしていく。後発のすき家は1982年、横浜の工場街で弁当店として開業。同年中に牛丼屋へと切り替え、吉野家・松屋と同じように多店舗展開を進めていった。

 しばらくは店舗数で1位・吉野家、2位・松屋という関係が続いていたが、トッピングメニューを売りとし、男性客が目立つ他社に対し、ファミリー層をターゲットにしてきたすき家はロードサイドを中心に出店。2006年に松屋を追い抜いて2位となった。さらに2008年に吉野家を抜いてトップとなり、以降も店舗数を拡大してながらトップを維持し、吉野家、松屋が続く構図となっている。

 ただ、近年では以前ほど店舗数が伸びておらず、牛丼業界自体がほぼ飽和状態にある。打開策として3社はさまざまな施策を進めている。

 最も歴史の長い吉野家は牛丼一辺倒の姿勢を貫いてきたが、2016年にから揚げメニューを始め、牛丼と同様に豊富なメニューを取りそろえており「から揚げ丼」の他、牛肉とから揚げを一皿で楽しめる「から牛」などがある。コロナ禍でのから揚げブームは吉野家にとって追い風となっただろう。

●女性シフトを進める吉野家

 店舗運営でもこれまでのこだわりを覆している。吉野家は昔ながらの対面接客にこだわり、注文方式のDXを進めてこなかった。「こんにちは」「ありがとうございました」といった細かなやり取りを大切にしたいからだという。現在でもはっきりと券売機を導入しない姿勢をアピールしているほどだ。しかし効率化の波に抗えなかったのが、近年ではタブレットの導入を進めている。

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