経理担当者の困りごと 「人員増」で対応できる課題・できない課題とは？

経理担当者の困りごと、最多は？

　中小企業では、少人数で担っているケースも少なくない経理業務。担当者は実務において、どのような課題を感じているのだろうか。財務・会計システムなどを手掛けるミロク情報サービス（東京都新宿区）が、企業の経理担当者362人を対象とした調査結果を発表した。

●困りごとの最多は「伝票作成・帳簿記入・仕訳入力」

　現在の業務において感じている困りごととしては、「伝票の作成・帳簿の記入・仕訳入力」が27.3％で最多だった。また、「従業員の経費精算」（21.3％）、「給与計算」（16.6％）の回答も多く挙げられた。ミロク情報サービスは、「発生頻度や件数が多く、労務管理や所得税など複雑な知識が必要で、かつ期日厳守の業務」において、多くの経理担当者が課題を抱えていることがうかがえると分析している。

　次点で票を集めたのは「法制度改正への対応」の24.9％だった。インボイス制度や電子帳簿保存法、所得税・個人住民税の定額減税への対応によって、経理担当者の負担が増加していることが背景にあるという。

●「経理の人員が多い企業ほど、多く抱える課題」とは

　企業規模によらず、経理担当者の多くが困りごととして挙げる「伝票の作成・帳簿の記入・仕訳入力」と「給与計算」。今回の調査では、同じ年商であっても経理の人数が多い企業ほど、業務上の課題として認識している傾向が明らかになった。

　一方、「従業員の経費精算」では、反対に経理の人数が少ない企業ほど、困りごととして挙げている経理担当者が多い傾向が見られた。同社は、「年商の増加に伴う業務量の増加に対して、人員増で対応しやすい業務」と、「システムを使って効率化しなければ課題解決につながりにくい業務」が浮かび上がったと分析している。

　調査は6月1～30日、ミロク情報サービスが発行する月刊誌「Monthly Report」の送付先企業と、同社の企業向けメールマガジンの受信者を対象にWeb上で実施。572件の回答のうち、会計事務所に所属している人や経理担当者ではない人の回答、及び同じ回答者からの重複回答を除いた、362件の回答を分析した。