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レガシーシステムの効率化を実現 「2025年の崖」を克服するモダナイゼーションサービスとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月7日 10時51分

レガシーシステムの効率化を実現 「2025年の崖」を克服するモダナイゼーションサービスとは?

SHIFTのオフィス(提供写真)

 ソフトウェアの品質保証・テストを手掛けるSHIFT(東京都港区)は、独自の品質保証やマイグレーション、UI/UXのナレッジを集結した「モダナイゼーションサービス」の提供を開始した。企業が抱える技術的負債やシステムのブラックボックス化といった課題を解消することで、生産性向上と業務効率化を支援する。

●「2025年の崖」に対処 モダナイゼーションサービスの特徴は?

 DXの進展により、複雑化するITシステムへの対処が企業の課題となっている。特に大規模基幹システムを運用するエンタープライズ企業では、技術的負債やシステムのブラックボックス化が問題視されているという。ITシステムの課題が解決できない場合、2025年以降、最大12兆円の経済損失が生じるリスクが指摘されていて「2025年の崖」と呼ばれている。

 SHIFTのモダナイゼーションサービスは、開発保守人員の不足、開発ドキュメントの欠落によってブラックボックス化したレガシーシステムの仕様を「AIドキュメントリバース」を用いて可視化できるようにした。従来の人力による分析作業に比べ、精度や網羅性を向上させ、ノウハウの属人化の課題も解消されるという。限られたリソース・コストでも精度の高い分析が可能だ。

 「DXデザイン診断」では、レガシーシステムに対してユーザー体験を向上させ、ROI(「Return On Investment」の略で、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標)を最大化するUIを設計する。その結果、オペレーション全体を効率化できるという。

 既存のシステムを段階的に新規システムに置き換えていくストラングラーパターンにより、UIとビジネスロジックが混在するレガシープログラムを分離。フロントレイヤーとバックレイヤーを段階的にリファクタリング(プログラムの動作を保ったままソースコードを改善すること)して、複数の独立した小規模なサービスを組み合わせて、一つの大きなアプリケーションを構築する「マイクロサービス化」を進める。これにより、アプリケーションの柔軟性と拡張性を迅速に高め、事業活動への影響を最小限に抑えた安全なモダナイゼーションができるようにした。

 運用コストを低減するため、クラウドネイティブな技術を使って、高い機敏性とコスト効率が良いインフラ環境を構築する。新システムに最適化したリソース配分を実行し、さらにインフラの構成や設定をコード化して管理・構築の自動化する「Infrastructure as Code(IaC)」の手法に基づき、コード自動生成機能を持つ「SHIFT標準パラメータシート」を使うことで、クラウド構築の作業期間を短縮するという。

 SHIFTは「レガシーシステムのマイグレーションやモダナイゼーション、DX支援を通じて顧客の生産性向上と企業競争力強化をサポートし、レガシーシステムが生む経済的損失、『2025年の崖』克服を目指したアクションを継続していく」としている。

(小松恋、アイティメディア今野大一)

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