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「祭りの交通規制で配達できない」をチャンスに ヤマト運輸の“臨時”サービスが面白い

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月5日 8時0分

「祭りの交通規制で配達できない」をチャンスに ヤマト運輸の“臨時”サービスが面白い

高円寺駅(編集部撮影)

 8月24~25日に開催された、東京高円寺阿波おどり。多くの連(阿波おどりを踊る団体)が2日間に渡って踊りを披露し、100万人近くの来場者が訪れた。

 会場となった高円寺駅の周辺や近くの商店街には多くの屋台が並び、祭りの雰囲気を盛り上げていた。その中に、屋台とは違うあるサービスを提供する一団がいた。ヤマト運輸の配達員たちが、「手荷物預かります」と道行く来場者に声をかけていたのだ。

 高円寺駅南口にいたのは、数人の配達員たち。足元には同社が自転車での配送で使用しているような大きめの箱が用意されていた。1人の配達員が掲げていた看板には「ベビーカーやスーツケースを1個当たり940円で預かる」との文言があり、支払い方法もキャッシュレスに対応していた。

●ヤマト運輸の手荷物預かりサービスとは?

 これは、同社が観光客向けに提供している手荷物預かりサービスだ。主に駅や空港、観光客に人気のエリアやイベントなどで実施しているそうで、「2010年代頃からスタートした」(同社広報担当者)という。

 高円寺駅はもともと大きい駅ではなく、コインロッカーの数も限られている。しかも、高円寺阿波おどりの開催期間はコインロッカーが使用できないため、荷物を預けられる場所が少ない。連が踊り歩く通りはどこも混雑していて、ベビーカーやスーツケースといった大きい荷物を持っていくのははばかられるだろう。荷物のプロである同社の強みと、来場者のニーズが合致したサービスだといえる。

●手荷物預かりサービス、いつから?

 手荷物預かりサービスを実施するか否かの判断はどのように決定しているのか。同社広報担当者によると、現場の意見をもとにそれぞれの地域で検討して決定するという。

 高円寺阿波踊りでの預かり料金は、ベビーカーやスーツケース1個につき940円だった。「料金は預かる場所で異なります。また、預かり可能な荷物も、スーツケースや手荷物を中心に場所ごとで変わります」(同社広報担当者)と説明する。

 現在、人手不足が課題となっている物流業界だが、手荷物預かりサービスに対応する人員はどのように確保しているのか。観光地や駅・空港などの手荷物預かり所には、専門のスタッフが常駐しているが、イベントなど期間限定での手荷物預かりサービスは、担当エリアや周辺エリアのスタッフが対応しているという。

 高円寺阿波踊りの期間中は多くの場所で交通規制が設けられ、通常通りに集配できない状況だった。そこで、いつもは配達業務を行っているセールスドライバーや周辺エリアのスタッフが対応したそうだ。

 同社広報担当者によると、高円寺阿波踊りでは、遠方からの来場者から「駅から降りてすぐに案内があり、分かりやすくとても便利だった」「コインロッカーがすぐに埋まってしまうのでとても助かった」といった声が聞かれたという。

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