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システム導入で起きる“深刻な部門対立”どう解決? あの部署の効率化で、こっちの部署から不満噴出

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月3日 6時0分

 また、実際に稼働した新業務プロセスが、サービス受益者と合意したサービス品質の目標値に達しているか、常にモニタリングを行い、必要に応じて改善策を講じる責任がある。

 これら3つの役割を図示すると、図3のようになる。なおここで留意すべきは、これらの3つの役割は一過性のものではないということだ。絶え間なく変化する経営環境に応じて、重点KPIと必要サービス品質を見直し、それに伴う業務プロセスの修正を行い、修正プロセスに必要となるケイパビリティを機能部門に確保させ、実行状況をモニタリングするというサイクルを断続的に回していかなければならない。

●プロセスオーナーの組織上の位置付け

 これまで述べてきたように、プロセスオーナーは機能部門の利害から独立した立場で、全体最適の観点からエンドツーエンドプロセスを俯瞰し、業務プロセスをデザイン、モニタリング、メンテナンスする必要がある。となると、特定機能部門の指揮命令系統の中に組み込まれてしまっては、そうした動きは取りづらい。

 プロセスオーナーは組織上、どのように位置付けるべきか。大きく3つの方法がある。

 1つ目は、COO(Chief Operating Officer)、CFO(Chief Financial Officer)などの直下にプロセスオーナー統括組織を置き、その中に各エンドツーエンドプロセスを担当するプロセスオーナーを配置する方法である。

 この際に重要なのは、プロセスオーナー統括組織の後ろ盾として、COOやCFOなどの強力な権限者が存在するという点である。これによりプロセスオーナーと各機能部門の間に健全な緊張関係、相互けん制が成り立つ。

 2つ目は、シェアドサービスセンター、CoE(Center of Excellence)などの業務集約組織にプロセスオーナーを配置する方法である。

 この方法には、プロセスオーナーとオペレーション実行部隊の一部が近いこと、重点KPIとサービス品質目標をSLA(Service Level Agreement)としてサービス受益者と合意するという営みに慣れていることなどの利点がある。

 一方で、こうした業務集約組織の役割を、従来のコスト削減を目的とした単純作業の寄せ集め組織から、全社オペレーションの変革エンジンへと一段高いレベルに再設定し、その新たな位置付けに対して全社で共通認識を持つことが極めて重要となる。

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