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累計販売20億枚突破のフェイスマスク「ルルルン」 9回のリニューアルでも変えなかったこと

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月17日 12時0分

 1年弱の開発期間を経て、2011年7月に発売された初代ルルルン。当時は大袋に入った大容量タイプのみだった。発売直後からそれまでになかった「毎日使えるフェイスパック」という目新しさが受け、一気に人気商品となった。

 発売後2年ほどは予想以上の好調を維持していたもの、目新しさも落ち着き、徐々に売り上げが落ち始めたことがあった。そのタイミングで同社は商品パッケージを大きく変更。それまでフェイスマスクでは定番だった大袋タイプから、コンパクトな箱タイプにリニューアルした。

 商品パッケージだけでなく、フェイスマスクの取り出し方も変えた。大袋タイプでは重なったフェイスマスクをつまむようにして取り出していたが、箱タイプにすることで、ティッシュのようにさっと取り出せるようにしたのだ。使いやすさも向上したことから、離れ始めていた消費者を再び掴み、売上の回復に成功した。

●ほぼ毎年リニューアルを続けるワケ

 前述の箱タイプへの変更のみならず、ルルルンはほぼ毎年リニューアルを行っている。「初代ルルルンが人気になったことで、利益を確保できました。それをリニューアルに活用し、新しい商品を発売。そうして得た利益をまたリニューアルの原資にする……というサイクルを徹底しています」(ブランドマネジャー)

 リニューアル内容は多岐に渡る。シートは水分をたっぷり含み、かつ肌にのせたときの密着感を高めるため、横にストレッチが効く素材に変更した。シートの形状にも着目し、乾燥が気になりやすい目の周りまでしっかり覆えるようなカッティングを採用している。

 繰り返すリニューアルの中で、あまり変えていない部分もある。シンプルで可愛らしいパッケージデザインだ。それまでのフェイスマスクは、商品名や機能性が大きく表記されており、デザイン力があるとはいえないものが多かったと担当者は話す。

 「これまでのフェイスマスクのパッケージでは、洗面台や部屋のインテリアになじまず、棚にしまわれがちでした。ですが、棚にしまうと使用前に取り出すという動作が発生します。こうなってくると面倒臭さが上回り、継続的に使ってもらえないことに気付いたのです」

 そこで同社は広告部分をフィルムにして、購入後に取り外せるようにした。使うときにフィルムを外せばシンプルなデザインになり、洗面台やドレッサーに出しっぱなしにしておけるようになる。出しっぱなしにしておけば入浴後や洗顔後に自然と目に入り、継続使用を促すことにもつながった。

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