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“バリスタ特化”が奏功 「電気ケトル」が好調の山善、第4弾の改良ポイントは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月17日 18時5分

“バリスタ特化”が奏功 「電気ケトル」が好調の山善、第4弾の改良ポイントは?

新発売の電気ケトル

 山善は9月3日、新商品「電気式バリスタポット」(1万2100円)の先行販売をインターネットで開始した。2018年に登場し人気を博している「電気ケトル」シリーズの第4弾で、販売時に応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」を活用するといった新たな挑戦にも取り組んでいる。商品の概要や狙いについて、担当者に聞いた。

●ドリップ時の利便性に特化

 同社は2018年に「温度調節ができる電気ケトルシリーズ」を発売した。豆に合わせて温度を変えるなど、本格的なコーヒーやお茶を自宅でもこだわっていれたい人向けに「1度単位で温度調節ができる」という点を最大の特徴として訴求。性能やサイズ感のリニューアルを重ねてこれまでに第3弾までを展開しており、同社としてはヒット商品といわれる約37万台(2024年7月末時点)を累計で売り上げている。

 発売後の高評価も、「温度コントロールの正確性」と「ドリップ時の使いやすさ」によるところが大きかったようだ。第4弾となる「電気式バリスタポット」でも、「コーヒーにこだわった仕様を2点追加した」と、家庭機器事業部商品企画1部の近藤富昭氏は話す。

 1点目が、ノズルの改良だ。元々ドリップに特化した細口のノズルとしていたが、狙った場所にお湯を注ぎやすいよう、角度と注ぎ口の形状に工夫を加えたという。

 また、2点目として新たに「カウントアップ」機能を搭載した。本体を持ち上げると、液晶画面で秒単位でのカウントが開始される。ドリップ時間や蒸らし時間の目安として、活用することを想定しているという。

●安全性向上にも工夫

 また、乳幼児のやけどといったリスクも踏まえ、安全面も強化した。2024年6月に改正施行された電気安全法において、電気湯沸器に対して「転倒時にお湯が50cc以上こぼれてはいけない」という基準が設けられたことにもよるものだという。

 担当者によれば、開発にあたって最も苦心したのが、湯こぼれを防止するフタの改良だった。内部にシリコンパッキンを取り付けたほか、都度取り外す仕様だったフタをプッシュ式に変更し、開ける際にもフタが壁になって湯気が直接手に当たりにくいようにした。蒸気口にもボール状の部品を入れ、倒れた際に蒸気口をふさいでお湯がこぼれにくくなる構造にしたという。

 先行販売は、応援購入サービス「Makuake」で実施。9月13日時点で、304人から応援購入の形で予約を受け付けている。同サービスは、初期投資のための予算を確保するのが難しい商品に多く用いられるが、最近では新商品の認知やPRを目的に用いられることも多い。同社としても初の導入で、これにより新しい販促方法を試したい考えだ。一般販売の開始は、11月末頃を予定する。

 同社によれば、商戦が年々長くなっている夏物に対して、暖房器具などの冬物商品の昨冬の売り上げは「厳しい」という。しかし、「そうした中でもお客さまが納得し、ニーズに刺さったものが売れていると解釈している」と担当者は話す。「コーヒーにこだわりたい」というニーズへの特化によって、電気式バリスタポットはどこまで売り上げを伸ばせるか。

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