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営業先を「AIが選定」 りそなデータサイエンス部長に聞く「DXの現在地」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 21時43分

営業先を「AIが選定」 りそなデータサイエンス部長に聞く「DXの現在地」

金融業界でいち早くデジタル化に取り組んできたりそな

 前編【りそなのデータサイエンス部長に聞く「金融DXの課題」 AI活用で何が変わる?】に続き、金融業界でいち早くデジタル化に取り組んできた、りそなホールディングス・データサイエンス部長の大西雅巳氏にインタビューした。

 同社では法人営業の分野でもDXを進めている。例えば過去の取引事例などをAIに学習させることにより、取引先との効率的な商談を実現しているという。その他、データ分析の専門家を擁するブレインパッドとも積極的に連携している。「リアルとデジタルの融合」の具体的な進展を聞いた。

●AIが営業先を選定 「経験に頼っていた従来と比べて……」

 法人営業で大切なことの一つは新しい取引先の開拓だ。多くの顧客と面談し、融資の相談などをどれだけ多くできるかがカギとなる。

 しかし、多忙などを理由に取引先から面談を断られることも少なくない。この対策として、りそなは過去の取引事例などをAIに学習させ、どの取引先と面談できる可能性が高いのかをAIで優先順位付けし、それを参考にしてアプローチを考える手法を取っている。このツールにより効率的な営業活動が可能となり、現場から喜ばれているという。

 「AIが示した優先順位に沿って取り組んだ結果、従業員一人ひとりの経験に頼っていた従来と比べてよい結果につながり、従業員がデータドリブンな行動にシフトするきっかけとなりました」

●実績をタイムリーに表示 ダッシュボード活用で生産性が1.3倍に

 これまではExcel(エクセル)などによって作成していたグラフを、データを集約して共有・分析するBI(Business Intelligence)ツールを利用してタイムリーに表示するダッシュボードも導入している。あるダッシュボードの事例では、業務の処理状況がグラフで分かりやすく表示されたことで、スタッフが自発的に業務を改善していくためのポイントの理解につながった。その結果、業務全体に好影響を与え、生産性が1.3倍に向上したという。

 「このダッシュボードは、管理者向けに現場の人員配置の適正化につなげてもらうためのものでしたが、現場の管理者がダッシュボードをスタッフ全員が見えるところに表示したことによって、スタッフ一人ひとりの生産性への意識向上につながっています。スタッフの『こうやったらもっとよくなるのではないか』といった実務レベルの意思疎通のきっかけにもなり、仕事のやりがいにもつながっています」

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