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「チープカシオ」なぜ人気? 安価だけではない、若者に支持される理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 7時10分

 「ファッション感度の高い人に話を聞くと、コーディネートの中にあえて異なるテイストのものを取り入れる“外しアイテム”として当社の時計を着用する若者が増えているようです。そうしたハイブランドとのミックスファッションに加え、ジェンダーレスで自由な選択肢があることも今の世の中の流れに合っているのではと考えています」

●2021年にリブランディング

 そうした反響も受け、同社では2021年にスタンダードウオッチのリブランディングを実施。それまで複数に分かれていた各モデルを、基本性能とデザイン性を追求した「Standard」、スポーツを楽しむ人向けの「For Sports」、カラフルなデザインの「POP」に分類したタイミングで、カシオコレクションに統一した。さらに2023年、よりファッション性を意識したモデルをカシオクラシックとして展開した。

 「当時、スタンダードウオッチはG-SHOCKなどと比べるとプロモーションに特別チカラを入れていたわけではありませんが、それでも売れているということで、社内でも『まだアプローチしきれていないファッション層などにも伸びしろがあるのではないか』と話に挙がりました」(服部氏)

 同社のブランド時計は女性層やファッション層に弱いといった課題感もあり、リブランディングによって利用シーンをイメージしやすくしたほか、ファッション性を意識したカシオクラシックについてはSNSでも購買欲が高い女性向けに訴求を強化することにした。

 「SNSの投稿については、当社として成長の余地がある女性やファッション好きの若者へのアピール方法を課題として捉えていました。共感性を意識し、例えばユニセックスの商品でも、より女性向けに見えるようなコンテンツをつくったり、マガジンコンテンツやイラスト、さまざまなスタイリングを訴求する投稿をしたりすることで徐々にフォロワーも伸びています」(服部氏)

●入門機としてもアピール

 商品開発においてはユーザーニーズを捉えながら実用性を追求したモデル、ファション性を意識したモデルを中心に投入している。

 今後は幅広い年齢層に向けた小型商品として、カシオコレクションの中でもカラフルなデザインを採用した「POP」のラインアップも強化。ファッション感度が高い若者に加え、これから時計を楽しむ層に向けた入門機としてもアピールしていきたい狙いだ。

 「スマートフォンの普及で時計を着ける文化が薄まっているともいわれていますが、カラーやデザインに面白みを持たせることで、子どもでも気軽に使えるファーストウオッチとして提案していきたいと考えています」

 1970年代から幅広い世代に親しまれてきたカシオ計算機のスタンダードウオッチ。商品戦略やプロモーションを強化することで、新たな層にも広がっていくか。今後の展開にも注目したい。

(熊谷ショウコ)

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