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がん医療はデジタル化でどう変わる? 日立ハイテクと医療研究者が語る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 19時44分

がん医療はデジタル化でどう変わる? 日立ハイテクと医療研究者が語る

左からモデレーターのフリーアナウンサー町 亞聖氏、国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)センター長の河野隆志氏、日立ハイテク 常務執行役員CDO 兼 DXプロジェクト本部長 兼 ヘルスケア事業統括本部長の高木由充氏

 世界では年間で1000万人ががんで亡くなっている。日本でも2人に1人ががんになるといわれて久しい。テクノロジーの発展は、がん治療の在り方をどこまで変えられるのだろうか?

 本記事では、日立製作所が9月4~5日に東京国際フォーラムで開催した「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」の中から、ビジネスセッション「デジタルで進化するがん医療の最先端」の模様をお届けする。AIを使った新しい診断法や治療法の開発、個別化医療の推進に向けたゲノムデータ解析など、デジタル技術の進化が、がん医療にもたらす変革とその未来について展望した。

 登壇者は国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT)センター長の河野隆志氏、フリーアナウンサーの町亞聖氏、日立ハイテク 常務執行役員CDO 兼 DXプロジェクト本部長 兼 ヘルスケア事業統括本部長、高木由充氏の3人。

 同社は2001年、エレクトロニクス専門商社である日製産業と日立製作所計測器グループ、同半導体製造装置グループが統合し誕生した企業だ。同社のヘルスケア事業は、これまで血液検査などの体外診断システムを中心としていたが、2024年4月に日立製作所の放射線治療システムなどを承継。診断から治療にわたる幅広い事業を推進している。

 ビッグデータがもたらす個別化治療の可能性は、どんなものなのか?

●ビッグデータが生み出す個別化されたがん治療

 長い年月をかけて着実に進化し続けているがん医療が、ここ最近、急速な進展を遂げている。2019年6月に「がん遺伝子パネル検査」が保険適用になったことが大きな要因だろう。がん遺伝子パネル検査とは、がんの発生にかかわる複数の遺伝子の変化を調べ、患者一人ひとりに合った治療法を見つける検査だ。

 日本におけるがん遺伝子パネル検査の現状について、C-CATセンター長の河野隆志氏は次のように話す。

 「日本は皆保険なので、みんなが同じようにがん遺伝子パネル検査を受けられます。しかし、この検査の認知度はまだ高くありません。一般の方はもちろん、医療従事者にもがん遺伝子パネル検査の存在を広く知ってもらうことによって、検査を受けるチャンスが増えていくと思います」

 現在、がんゲノム医療を担う医療機関は全国に266カ所あり、どこでも同じ検査が受けられる。その検査結果をもとに、さまざまな専門家が集まり、エキスパートパネルと呼ばれる会議を開く。この会議では、特定の薬剤がどの程度の効果があるかを協議し、検出された遺伝子異常に効果が期待できる薬剤があるかを検討する。

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