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日本酒アイス、台湾でヒット 1カップ800円するのに2年で輸出額5倍に、なぜ?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月17日 7時20分

日本酒アイス、台湾でヒット 1カップ800円するのに2年で輸出額5倍に、なぜ?

20代くらいの女性が展示会で日本酒を購入するシーンもあったという

 冷凍事業のコンサルティングを提供する、えだまめ社(東京都渋谷区)が手掛けた、日本酒アイス「SAKEICE」が台湾でヒットしている。2022年から輸出しており、約2年で輸出額は5倍に増えた。

 SAKEICEは日本酒を混ぜ込んだアイスクリームだ。原料に日本酒をたっぷりと利用し、日本酒の香り・うま味を再現。高アルコール度数(約4%)の大人な味わいを実現している。

 コンサル業以外に商品を開発してみたいという思いがあったのと、当時、カップアイスクリームのスーパーカップにワンカップ大関をかけて食べるとおいしいという投稿がSNSで話題になっていたことをきっかけに2018年末から開発に乗り出した。

 2020年3月に販売にこぎつけたが、1年以上にわたる開発期間の中でさまざまな試行錯誤があった。

 アルコール成分は凍りにくく溶けやすいという特徴を持つため、アイスに練りこんでも家庭用冷蔵庫で完全に凍らせることは難しかった。また、そもそもアルコールが1%以上含まれる飲食品の製造は酒造行為とされ、酒造免許と酒販免許が必要だった。当時、えだまめ社は酒造免許を保持していなかったという。

 技術面や法規制の問題をどのように乗り越えたのか? また、なぜ台湾で人気を獲得しているのか。その秘密を同社の代表取締役 成田博之氏に取材した。

●凍りにくい日本酒、どうアイスにしたのか? 国内では累計18万食突破

 台湾での人気がじわじわ広がっているSAKEICEだが、国内での支持も高い。発売から累計18万食を突破した(2024年8月時点)。現在は15~20種類の味を展開。レギュラー商品の八海山や男山のほか、EC限定商品や店舗限定商品なども販売する。

 堅調な伸びを見せるSAKEICEだが、その道のりは決して平たんではなかった。100以上のレシピを試し、1年以上の試行錯誤を繰り返した。

 その中でも特に、日本酒の凍りにくく溶けやすくなる性質を解消し、アイス商品として成立させることと、練りこむそれぞれの日本酒の味わいを香りをしっかりと残すこと。その2点に苦労したという。

 「アイスとして凍結されつつ、食べるときに溶ける状態になるよう、当社の冷凍技術を駆使して繰り返しました。凝固点が低いアルコールを含む水分でもアイスクリームになるように、オリジナルのパウダーを調合しています。成分は砂糖、脱脂粉乳、イヌリン、でん粉、寒天、こんにゃく粉などを独自比率で混ぜ合わせました。試行錯誤した製造プロセスと組み合わせることで凍結に成功しました」

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