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日本酒アイス、台湾でヒット 1カップ800円するのに2年で輸出額5倍に、なぜ?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月17日 7時20分

 日本酒の味わいをしっかり残すことにもこだわった。辛口の日本酒なら辛口の味わいに、フルーティーな日本酒であれば香りがしっかり残るようにと、アイスクリームとミスマッチを起こさないような工夫を施している。

 「おいしいものを作りたいという思いと、日本酒離れにより低迷する市場の活性化の一助になればというモチベーションで取り組んできました」と成田氏は振り返る。

 SAKEICEの完成が見えてきた中、次の問題にぶつかることになる。酒造免許を保持していなかったため、SAKEICEの製造は法令違反に当たることが分かったのだ。

 「2019年頃から製造許可を得るために国税庁に掛け合っていました。半年ほど時間をかけ、現行の法律の一部を解釈変更するという『法令解釈変更』により、酒造免許不要で製造ができ、さらに、酒販免許不要で販売が可能になりました」

 2020年3月、ようやくSAKEICEは日の目を見た。現在は酒販免許を取得し、東京駅の店舗ではコラボした日本酒を中心に販売している。

【訂正:2024年9月26日午前11時36分 初出で「酒造免許を取得し」と記載しておりましたが、「酒販免許を取得し」に訂正いたします。】

●1カップ800円でもヒット商品に なぜ、台湾で支持された?

 SAKEICEが台湾で初めてお披露目されたのは、2022年11月にさかのぼる。「北國際酒展」という展示会に出展し、その後も同イベントに計4回出展した。今年の11月にも出展する予定で、そこでは過去最大の商品ラインアップになるという。

 「海外進出の第1弾は、日本酒への関心が高い地域のほうがうまくいくだろうと考えていました。展開先を探す中で、台湾に空前の日本酒ブームが来ていることを知り、進出先を決めました」

 数年前からクールジャパンの一環で、日本酒は「SAKE」として人気を博していたが、その中でも台湾の日本酒需要の伸長率は顕著だった(参照:財務省貿易統計「各酒類の主な輸出先2023」PDF)。

 「2023年の各酒類の主な輸出先調査では輸出金額1位は中国、台湾は5位であるものの、中国への輸出は減少している一方で、台湾は対2022年で20%も増加しています。台湾の日本酒需要の関心の高さは数字でも、実際に現地の展示会などで出店をしている時にも肌感で感じます」

 台湾では1カップ約800円(2024年9月20日時点でのレート換算)で、13種類を展開する。開発中のフレーバーを含め、12種類が台湾限定だ。

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