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やっぱり、ドンキの免税品は売れている なぜ訪日客が“つい”買ってしまうのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月26日 6時30分

やっぱり、ドンキの免税品は売れている なぜ訪日客が“つい”買ってしまうのか

ドンキのインバウンド戦略が好調!

 ドン・キホーテのインバウンド需要の取り込みが好調だ。2024年6月期の免税売上は1173億円と前期比で790億円増加した。2015年にオープンした「道頓堀御堂筋店」(大阪市)など、インバウンド強化型店舗の数は全国で40店舗を超えているほか、今後も店舗展開を予定するなど、さらなる成長を見込んでいる。

 業績全体を見ても好調に推移している。ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の売上高は2兆951億円(前期比8.2%増)、営業利益は1402億円(同33.2%増)と、35期連続の増収・営業増益を達成した。その中でも、目を引くのが免税売上の伸びだ。

 PPIHの執行役員で都市繁華街型(インバウンド)業態の責任者である川下泰史氏は「訪日客に評価していただき喜ばしく思う」としつつも、「満足度や来店動機の向上など、改善の余地は十分にある」と語る。

 コロナ禍が終息し、インバウンド需要の回復に伴って、ドン・キホーテでも顧客層に変化が生じている。以前は中国からの訪日客が40.5%を占めていたが、現在はその比率が縮小し、代わりに米国などからの訪日客の割合が増加しているという。

●訪日客の旅行動線を分析

 同社がインバウンド戦略で重視しているのが、「ドンキでしか得られない買い物体験」の提供だ。川下氏は「『安さ』と『アミューズメント性』を提供できるという当社の強みが来店動機の向上へつながる」と説明する。

 この買い物体験には2つの要素がある。1つは、ドン・キホーテの店舗ごとに違う演出やレイアウト、多数のPOPなど他の小売店にはない店内での観光体験だ。もう1つは、流行品からオリジナリティーあふれる商品まで、宝探し感覚で衝動買いしてしまうトレジャーハント体験である。

 インバウンド需要の取り込みを強化するため、ドン・キホーテでは訪日客の旅行動線を分析し、彼らがどのように日本を楽しんでいるかを考慮したうえで、全国で40店舗を超えるインバウンド強化型店舗を展開している。

 2015年にオープンした「道頓堀御堂筋店」もそのひとつだ。川下氏は「道頓堀エリアは狭い商圏にもかかわらず、多くの人が集まるスポット。既存の道頓堀店の混雑緩和と顧客ニーズへの対応を目的に出店した」と説明する。

 同店舗はコロナ前の2019年まで全国でもトップクラスの売り上げを記録し、コロナ禍を経た現在ではさらに伸びている。近隣の道頓堀店と合わせ、いずれも人気店として支持されている。

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