育休中に転職を考える女性管理職「半数以上」 不満を持ったワケTOP3は？

育休を取得した女性管理職の半数以上が「育休中に転職を検討」

　育休を取得した女性管理職の半数以上が「育休中に転職を検討」していた──。転職サービスを運営するXTalent（東京都港区）が、育休取得経験のある女性を対象に実施した「女性の育児休業取得」についての調査で明らかになった。育休期間中に転職を考えたことが「ある」と答えた人は、全体で57.1％。リーダー以上では56.6％だった。

●女性管理職たちが不満を持ったワケ　上位3つは？

　転職を検討した理由として最も多かったのは「働き方（リモートや時短勤務可否など）に不満がある」、次いで「昇進・キャリアアップが望めない」、「給与に不満がある」だった。他に「仕事内容」「評価・人事制度」にも不満を持っている人が多く、復職後の待遇から転職を考える人が多いことも分かった。

　復職後の職場のサポートについて「十分」と答えた人は、56.1％だった。十分と評価した人からは「育休取得の前例がなかったポジションなので、試行錯誤しながら業務内容を見直してくれた」「引き継ぎ期間を長く設定してくれた」といった声があがっている。

　一方、復職後の職場のサポートが「十分ではない」と答えた人は43.9％だった。「時短にも関わらず、業務量がフルタイムと同じ」「制度はあっても、ワーキングペアレンツに対する理解がなく利用しにくい」という理由が並ぶ。

　育休取得後の仕事面の変化については、ポジティブな変化が「あった」と答えた女性管理職は55％、ネガティブな変化が「あった」と答えた女性管理職は68.2％だった。ネガティブ変化がポジティブ変化を10％以上も上回る結果となっている。

　キャリア形成に意欲的な女性管理職にとって、復職後も仕事でチャレンジをしていきたいと考える人は少なくない。しかし企業側の配慮によって「復職後に、責任の重い役職や重要な仕事を任されなくなった」といった声もあがっている。

　同社は「行き過ぎた配慮は、当事者にとって冷遇とも捉えられかねず、退職につながる可能性もある。育休取得後は、企業と働く人のコミュニケーションが非常に重要なことを示唆している」と分析した。

　調査は、育休取得経験のある女性304人を対象にインターネットで実施した。期間は8月1～31日。

（小松恋）