パルワールド、任天堂への賠償は数百億円に? ソニー・アニプレックス協業の影響は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月15日 6時25分
ゲームに関心がない人でも、「ポケモン似のゲーム」との評判は聞いたことがあるのではないだろうか。ポケットペア(東京都品川区)がリリースした『Palworld』は、インディーゲームであるにもかかわらず世界的な成功を収めた。発売からわずか1カ月で同作品は総プレーヤー数2500万人、推定売上高692億円を記録したとされる。
大手ゲームメーカーではない小規模な会社が作り上げた、前代未聞の記録──「ゲーム事業には夢がある」と感じる人もいるかもしれない。ソニーやアニプレックスなどと協業しパルワールドのIP管理事業にも手を広げ、さらなる成長機会をうかがっているようだ。
モンスター捕獲と育成を主な要素とするこのゲームは、リリース後すぐに海外では「銃が撃てるポケモン」という異名で話題となり、多くのゲーマーやメディアの注目を集めた。「丸パクリ」ではないものの、モンスター捕獲メカニズムやキャラクターデザインがどことなくポケモンを彷彿(ほうふつ)とさせるもので、著作権上のグレーゾーンでお金をもうけていると批判されていた。
そしてついに2024年9月、任天堂とポケモン社がポケットペアに対して「特許権侵害」を理由に訴訟を提起したと明らかになった。なぜ「著作権」ではなく特許権を巡っての訴訟となったのか。また、ポケットベアが任天堂の“ライバル”ソニーと手を組んでいることで、何が起きるのだろうか。
●任天堂は「著作権侵害」訴訟を選んだ──賠償額の目安は
今回の訴訟で焦点となっているのは、著作権ではなく特許権の侵害である点である。著作権は主に作品の表現形式を保護するもので、キャラクターのデザインやストーリーが対象となる。
一方で、特許権は技術的なアイデアや発明そのものを保護するものであり、今回問題となっているのは、『Palworld』のゲームメカニズム、特にモンスター捕獲システムが任天堂の特許を侵害している点であろう。
任天堂は「モンスターを捕獲するためのアイテムを投げる」という技術に関する特許を保有しており、この特許が『Palworld』で使用されていることが侵害にあたると主張している。
同社が特許訴訟を選んだ理由として、特許権は技術的な仕組みやプロセスに対するより広範な保護を提供する点が挙げられる。
著作権侵害の訴訟は、表現の類似性を立証する必要がある。「似ている」「似ていない」の水掛け論となってしまう可能性があり、任天堂としても敗訴のリスクは少なからず存在する。
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