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「はやぶさ」「こまち」はなぜ連結して走るのか 欠点を上回る分割併合運転のメリット

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月28日 9時10分

「はやぶさ」「こまち」はなぜ連結して走るのか 欠点を上回る分割併合運転のメリット

「はやぶさ」と「こまち」が連結している理由は?

 東北新幹線「はやぶさ」と秋田新幹線「こまち」は、東京~盛岡間で連結して走行する。同じく、東北新幹線「やまびこ」と山形新幹線「つばさ」も東京~福島間で連結して走行する。合わせて17両の長い編成で、色の違う列車がつながっている姿はユニークだ。盛岡駅と福島駅で連結、分離する様子も興味深い。まるでロボットアニメの合体分離のようで、子どもたちだけではなく、大人も見入る場面である。

 2024年9月19日、東北新幹線「はやぶさ6号」と秋田新幹線「こまち6号」が走行中に、期せずして分離した。本来は東京駅まで連結しているはずだった。幸いにも自動的にブレーキが作動して両方とも停車した。「こまち6号」の車掌が非常ブレーキを使ったとも報じられている。本来は連結したままの連結器が外れる異常事態だ。自動ブレーキが万が一作動しなければ追突の恐れもあった。ともあれ、乗員乗客が無事で良かった。事故の原因は調査中とのこと。

●併結運転の利点

 そもそもなぜ「はやぶさ」と「こまち」、「やまびこ」と「つばさ」は連結して走っているのか。そんな疑問をお持ちかもしれない。別々に走れば分離しなかった。しかし、連結して走る理由がいくつかある。

 1つは、東京~大宮間のダイヤが過密になっているからだ。

 東京~大宮間は東北新幹線のほか、上越新幹線、北陸新幹線の列車が乗り入れる。時刻表サイトや市販の時刻表は路線ごとに分かれているので、東京駅発車時刻をまとめた。

 上の表は臨時列車の発着枠も含めているから、毎日全ての列車が走るわけではないけれども、最繁忙期は最大でこれだけの列車が発車する。発車時刻がほとんどの時間帯で4分間隔となっている。長距離列車だけの時刻表と思えないほどの過密ダイヤだ。通勤路線の朝ラッシュ時に近い。

 ちなみに東海道新幹線が実現した「のぞみ12本ダイヤ」で1時間当たりの本数は、のぞみ12本、ひかり2本、こだま2本で合計16本。3分間隔の時間帯もある。これは全ての列車が16両編成で同じ性能に統一されているからできた。

 JR東日本は新旧の車両が混在し、加速性能もわずかながら異なる。JR東海の乗り場は6線あるけれど、JR東日本は4線だ。このような環境の差でJR東日本は4分間隔を実現している。素晴らしい運用能力だ。しかし現在の車両や設備では、これが限界といえそうだ。同じ時刻表を見ると、臨時列車のいくつかは上野駅始発となっている。東京駅が混雑しているため、東京駅を発着できない。

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