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「退職したいが退職代行はさすがに……」 そんなニーズを拾ったサービス、その後は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 8時10分

「退職したいが退職代行はさすがに……」 そんなニーズを拾ったサービス、その後は?

「退職代行」を使わずに、どうやって辞めたの?

 退職代行サービス「モームリ」で知られるアルバトロス(東京都港区)が、新たな退職支援サービスを提供している。1月から開始した「セルフ退職ムリサポ!」(以下、ムリサポ)だ。

 特徴は、利用者自身で退職を確定させるためのサポートを行う点にある。退職代行サービスの先駆者が、なぜ「セルフ退職」を支援するのか。従来の退職代行とは何が違うのか。サービス開始から半年が経過した現在の状況を追った。

●セルフ退職の「ムリサポ」とは

 アルバトロスは、これまでに1万8000件を超える退職相談を受けてきた。退職を望みながらも踏み出せない労働者を支援するため、退職代行「モームリ」を提供し、これまで多くの退職支援を実施している。

 今回、なぜ新たな退職支援のサービスを開始したのか。代表の谷本慎二氏は「退職代行の需要は根強いが、本来はあるべき姿ではない。しかし、退職に悩む人は今後も必ず現れる。その人たちを支援する新たな形が必要だった」と語る。

 ムリサポは、顧問弁護士監修の下、法律に則った退職プロセスのコンサルティングを行っている。退職の意思表示の仕方から有休消化の交渉方法、退職に付随するさまざまな手続きについてもアドバイスしている。

 最大の特徴は、アルバトロス側が退職希望者の所属する会社と“直接やりとりしない”点だ。「退職はしたいが、退職代行は利用したくない」人をサポートしているという。価格は退職代行(2万2000円)より安価な1万5000円で提供している。

●利用者の約3割が「勤続年数3年以上」

 ムリサポは2024年1月にサービスを開始し、相談件数は累計で2113件、そのうち成約に至ったのは85件だ(2024年9月中旬時点)。成約率は当初の想定を下回っているそうだが、その要因は広告出稿を抑えたことでサービス認知度の低さにあるとアルバトロスは分析している。直近では月に10~20件の成約が生まれるなど、着実に成果が出始めているという。

 ムリサポ利用者の傾向は、3年以上働いている人が全体の3割を占めていること。年代別に見ると、40代以上が4割ほどなので、キャリアを積んできた人からも支持されていることがうかがえる。ちなみに、退職代行の場合、勤続期間6カ月未満が半数以上を占めており、40代以上は1割にとどまっている。

 ムリサポを利用している人は長期間働いている傾向があるが、退職前に残っている有給休暇を消化したい人は4割ほど。この結果を受けて、同社は「とにかく早く退職したい人が多いのではないか」と分析する。

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