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時代に逆行してあえて「地方・築古・一戸建て」に着目 社会問題化する「空き家」活用ビジネスが今アツい

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 6時15分

時代に逆行してあえて「地方・築古・一戸建て」に着目 社会問題化する「空き家」活用ビジネスが今アツい

空き家の増加が問題化している(画像はイメージ)

 近年、少子化に核家族化、単身世帯増加などの流れを受けて、多くの一戸建住宅が空き家化しています。2023年現在、日本の空き家は900万戸(国内の住宅総数に占める割合は13.8%)。地域経済の地盤沈下、空き家の管理不在による景観の悪化や防犯上のリスクなどが、社会問題化しています。

 この時代にあって地方の空き家に着目してリフォーム販売し、グループ合計で年間約7000戸を売り上げ、11年連続全国1位(リフォーム産業新聞調べ)を続けている企業があります。群馬県桐生市に本社を置く、東証プライム上場のカチタスです。

 カチタスは1978年、群馬県桐生市で石材業を営む「やすらぎ」として創業し、1980年代後半から不動産業に進出しています。実は筆者は、不動産業から中古住宅販売を主業に移しつつあったやすらぎ時代に、銀行員として付き合いがありました。

 当時はバブル経済崩壊後の不況が長期化する中で競売物件が多く存在したことから、創業者の須田忠雄氏が独自のビジネスモデルを考案しました。それは、競売物件を安価で仕入れ、それをリフォーム販売することで大きな利幅を得ようというものです。

 しかし競売物件は、その大半が落札前には内部確認ができないことや、ものによっては不法占拠者がいるものもあります。すなわち、落札はしたものの想定以上にリフォームの手間がかかるものや、不法滞在者の立ち退きに思わぬ高額コストがかかる、といった費用的ロスも一定の割合で見込む必要があったのです。

 また、不法占拠者が反社会的勢力関係者のケースもあることから、同社のビジネスにはグレーなイメージもありました。同社は2004年に名古屋セントレックス市場へと上場していますが、希望していた東証では上場が難しかったのには、さまざまな背景があったのだろうと推測できます。

●投資ファンドの下で再出発

 その後、2008年に創業者の持株が投資ファンドへ売却され、2012年にファンドによる実質的なMBOによって上場が廃止となります。そして2013年にカチタスへと社名を改め、中古住宅リフォーム販売会社として再スタートを切ったのでした。

 その際にファンドが経営者としてスカウトしたのが、新井健資現社長です。新井社長は、銀行員、政治家秘書を経て大手コンサルティングファームでコンサルタントとして活躍の後、米国でMBAを取得。帰国後にリクルートで不動産ビジネスに従事するという、幅広いキャリアの持ち主です。

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