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米国のビッグマックが「850円」もするのは、なぜ?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月24日 8時10分

米国のビッグマックが「850円」もするのは、なぜ?

米国のビッグマックは「850円」、理由は?

 日本マクドナルドは2024年1月、値上げに踏み切った。人気バーガーの「ビッグマック」も450円から480円になったわけだが、本場の米国ではどのくらいの価格なのか。

マネオ: バーガー博士、ビッグマックは米国で買っても480円なのですか?

バーガー博士: いやいや、そもそもそれは外国為替相場(がいこくかわせそうば)の水準によって変わってしまうのだけど、今だと米国のビッグマックは5.69ドル、日本円で850円もするよ(1ドル150円換算)。セットの価格じゃなくて、ビッグマック1つで850円もするのだよ。

 マクドナルドは米国の会社だけど、お店は世界中にある。ビッグマックは米国でも日本でもだいたい同じサイズで、味もほとんど変わらない。ただ、米国でビッグマックを注文すると、日本円に換算すると850円もする。なぜ米国のビッグマックは日本と同じ大きさなのに日本の1.8倍も高いのだろうか?

 答えは円と米ドルの交換レートが原因だ。ニュースなどで「米ドル/円相場」という言葉を聞いたことがあると思う。これが何かを説明しよう。

 日本で使われているお金は「円」だ。基本的に「円」は日本でしか使えない。一方、米国で使われているお金は「米ドル」。一部例外もあるが、ほとんどの国では自国通貨でしかモノやサービスを買うことができない。

 したがって、海外に遊びに行ったり、海外からモノやサービスを買ったりする時には、現地の通貨と円を交換する必要がある。日本人が米国に行く時は円から米ドルに交換し、米国人が日本に来る時は米ドルから円に交換する。

 このように、「円」と「米ドル」を交換する時、何円と何ドルで交換するかを決める必要があるわけだが、その交換比率が「米ドル/円相場」だ。

 世の中にはたくさんの国があるので、たくさんの通貨が存在する。それぞれの通貨と通貨の交換比率のことを「外国為替相場」と言う。通貨と通貨の交換は毎日世界中で頻繁に行われているので、外国為替相場は、日本の月曜日の早朝から、米国の金曜日の夕方(日本の土曜日の朝)まで、常に変化している。

 英国のエコノミスト誌が世界のビッグマックの価格を調べていて、米国のビッグマックの価格は平均すると5.69米ドルだそうだ(2024年7月公表のデータ)。今、円を米ドルに交換しようとすると、1米ドルを受け取るのに150円必要になる。簡単な掛け算をすると、先にも触れたように、150円(米ドルと円の交換レート)×5.69米ドル(米国のビッグマックの値段)=約850円になる。

 もし、今よりももっと米ドルが高くなって、円が弱くなって、1米ドル=180円になってしまったら、米国のビッグマックは1024円になってしまい、千円札1枚ではビッグマック1個(飲み物・ポテト付きのセットではなく、ビッグマック1つだけ)も買えなくなってしまう。

【まとめ】

1米ドル=180円になると、米国のビッグマックは、千円札では買えなくなる!

(佐々木 融、ふくおかフィナンシャルグループ・チーフストラテジスト)

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