ポケカ「リザードン」落札額4500万円 米競売会社が、日本市場を狙い撃ちしたワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月10日 19時56分
『魔女の宅急便』のセル画
「ポケモンカードゲーム」初期の「リザードン」が約4350万円、未開封のGB「ポケットモンスター 赤」が約706万円──。日本のアニメやゲームのアイテムが世界のオークション市場で高く売れている。
こうした動きを受け、オークション会社として売上高ベースで世界第3位のヘリテージが、日本市場の拡大に強い意欲を示した。ヘリテージオークションズは10月23日、東京・虎ノ門で戦略発表会を開催。今後の方針や狙いを語った。
ジョー・マッダレーナ副社長はITmedia ビジネスオンラインの取材に対し「日本のアニメーション、コミックは世界に通じるものがあり、今後、出品されることを望んでいます。当社はスポーツ関連のオークションでは強みがあるので、米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手関連のグッズにも期待しています」と話す。
ヘリテージは今年4月に東京オフィスを開設。これを機に日本でのオークション市場の拡大を狙う。日本ではYahoo!オークション(ヤフオク)などがサービスを展開しているものの、鑑定されていない商品が多く、出品者と落札者のやり取りが発生するなど特殊な事情がある。一方、世界のオークション企業といえば、英国で設立されたサザビーズとクリスティーズが有名で、ヘリテージは2023年の売上高が2640億円と、第3位の会社だ。
同社は日本上陸を記念して、オークションに出品されるハリウッド映画不朽の名作『オズの魔法使い』(1939年)に登場する小道具「ルビーの靴」を世界で初めて、東京・銀座三越で10月28日から11月3日まで展示した。今後、米ニューヨーク、英ロンドンでも展示した後、今年12月にオークションにかける予定だ。この靴は盗難された後に米国の連邦捜査局(FBI)の捜索により13年の時を経て発見された“いわくつき”の品物で、同社が試算した推定価格は4億5000万円だという。
マッダレーナ副社長と東京オフィスの松本麻生マネージングディレクターに、日本市場進出の狙いと今後の展望についてインタビューした。
●「大谷翔平グッズ」が注目 ヘリテージに追い風のワケ
――日本に事務所をオープンした狙いは何ですか。
マッダレーナ: アジアでは香港にオフィスがありますが、次のアジアの拠点をどこにするかを考えていたところ、アニメーションやビデオゲームの創出が盛んな日本には多くの貴重なアイテムが存在していて、海外のコレクターから高い評価を受けていました。わが社としては収集品市場の開拓の余地があると見込んで、東京オフィスをオープンしました。現在、東京のオフィスではアニメやゲームの出品数が増えていて、今後の日本人出品者と落札者の増加を期待しています。
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