「倍々ゲーム」のバーガーキング 人気の背景と「600店舗」に向けた死角とは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月10日 6時15分
ファストフードの中でも勢いが顕著なバーガーキング
近年、バーガーキングが勢力を拡大している。大量閉店が話題となった2019年には店舗数が77店舗まで縮小したものの、2020年末には100店舗を超え、2023年には200店舗を達成した。
ファストフード業界ではコロナ禍以降の好調が続くが、これほどの規模で「倍増」させたのはバーガーキングくらいだろう。消費者の声を調べると、肉質や重厚感を評価する意見が多いようだ。Xでたびたびバズっており、認知度向上に注力していることも拡大の一因とみられる。今回は、バーガーチェーンとして後発ながら人気が急上昇している理由を探っていく。
●かつては日本から撤退も 苦戦した1990年代
バーガーキングは1954年、米フロリダ州・マイアミで創業した。客の好みに合わせてバーガーをカスタマイズできるシステムや、看板商品の「ワッパー(WHOPPER)」が受け、世界的チェーンとなった。
日本にはマクドナルドから20年以上遅れて1993年に上陸。西武グループの不動産事業を担っていた西武商事が米国の本部とフランチャイズ契約を結び、西武系のテナントに出店した。しかし出店方針で両者の意見が一致せず、国内事業は1996年にJT(日本たばこ産業)が継承した。当時、外食事業に注力していたJTはバーガーキングを100店舗まで増やす計画を立てていたが、20店舗ほどしか出店できず、2001年に日本から撤退することになってしまった。
デフレ経済下でマクドナルドがハンバーガーを200円台から100円台、そして60円台とケタ外れな値下げをしていた時代である。高価格帯のバーガーキングは当時の消費者に受け入れられなかったとされる。現在のようにワッパーの重厚感をそこまで訴求していなかったことも失敗した要因である。
●高価でも、ボリューム感がすごい
撤退から6年後の2007年、バーガーキングは日本に再上陸を果たす。「ロッテリア」を運営するロッテと企業支援を行うリヴァンプが共同出資してバーガーキング・ジャパンを設立し、同社が運営を担った。
とはいえその後もなかなか日の目を見ず、2010年に韓国法人のロッテが約200億ウォン(当時のレートで約14億円)の負債を引き継ぐことを条件に、わずか100円で国内事業を買収。その後、香港ファンドのアフィニティ・エクイティ・パートナーズが米バーガーキング側とフランチャイズ契約を締結し、ビーケージャパンホールディングスを設立。韓国ロッテも経営から退き、現在に至るまでビーケージャパンホールディングスが国内事業を担っている。
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