夏に90万枚も売れた「アセドロン」、今度は冬の“汗冷え”をドロン! グンゼだからできることがある
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月14日 9時10分
商品ラインアップは、長袖インナーを中心に、パジャマやソックスまで幅広く展開。見える部分のデザインにもこだわり、1枚でアウターとしても着られる仕様にした。「防寒インナーとは異なる、新しい価値を提供したかった」と藤本氏は語る。
●春夏の成功を生かしたブランド戦略
10月の発売以来、まだ本格的な寒さには至っていないものの、市場からの反応が出始めている。「レディースインナーの動きが早く、アセドロンブランドを知る消費者からの期待も大きい」とマーケティングを担当する日和崇氏は手応えを語る。
マーケティング面でも新たなアプローチを採用。従来の「吸水速乾」「吸湿発熱」といった業界用語ではなく、「ベタつき」や「汗冷え」など、実感を伴う言葉を打ち出すことで直感的な理解につなげたほか、広告展開では春夏の「肌着革命」から、秋冬は「どういう時に汗をかくのか」をより実感できる表現にした。
ロゴデザインにも統一感を持たせた。「春夏で話題を呼んだブランド資産を生かし、既にアセドロンを知る方にファイヤーアセドロンも認知してもらいたかった」(日和氏)
購入者からの反響も上々のようだ。極度の冷え性に悩む人は、寒い時期に着込むことで汗をかきやすくなり、着替えを余儀なくされていたが、ファイヤーアセドロンを使用してからは着替えの回数が減ったという。
そのほか、開発メンバーが発熱時に着用して快適だった体験も、新たな使用シーンの可能性を示している。
●今後の展望と課題
アセドロンシリーズの展開は、グンゼの商品開発のあり方そのものも変えつつある。「これまではプロダクトやエビデンス重視で、数値的な部分を追求する傾向にあった。アセドロンを展開してからは、ユーザーからの声にどう応えるかという視点が加わった」と藤本氏は説明する。
一方で、ここ数年目立つ「暑さの長期化」は、ファイヤーアセドロンに限らず秋冬商品の位置付けに影響を与えている。「冬は必ず来るが、長い夏への対応は課題。商品の打ち出し方や、シーズンをどう考えるかなど、工夫が必要」と藤本氏は語る。
近年のアパレル業界は、機能性の訴求を重視する傾向にある中、同社は肌着本来の役割に立ち返った。その結果が「汗」という年間を通して発生する悩みへの着目だった。「インナーウェアメーカーとして、肌に一番近い商品をつくる私たちだからこそできることがある」と日和氏は語る。
春夏商品の成功を足がかりに、冬市場でも独自のポジションを確立しようとするグンゼ。来年も商品の進化は続き、市場の声を生かしながら、春夏の新商品開発も進めている。年内100万枚到達を視野に入れるアセドロンは、冬のインナーウェア市場に「防汗」という新たな価値を提案できるか。
(カワブチカズキ)
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