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セブン&アイが期待する「SIPストア」は、「まいばすけっと」に勝てるか? 1号店で見た“残念な光景”

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月18日 6時15分

セブン&アイが期待する「SIPストア」は、「まいばすけっと」に勝てるか? 1号店で見た“残念な光景”

2月にオープンしたSIPストア

 2月末、セブン&アイ・ホールディングスはコンビニに生鮮などのスーパー機能を追加した「SIPストア」を千葉県松戸市でオープンした。売場面積は従来店の1.5倍以上で、精肉や野菜、冷食などを販売しており、業態としてはイオングループの「まいばすけっと」に近い。

 そんなSIPストア、開業から8カ月が経過したにもかかわらず、2号店の出店はまだない。セブン&アイはあくまでテスト店舗だとしているが、好調であればそろそろ新店を構えて良いころだ。SIPストアはなぜ増えないのか。実店舗を訪れ、その理由を考察していく。

●スーパーとコンビニを合体させた新業態「SIPストア」

 SIPストアは、セブン‐イレブン松戸常盤平駅前店をリニューアルした、セブン&アイの新業態店だ。新京成電鉄新京成線・常盤平駅の北口から徒歩1分に位置し、周辺にはマンションや戸建て住宅が並ぶ。西隣には、スーパーの「オーケー」が5月に開店した。

 ちなみにSIPストアという名称はセブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)とイトーヨーカ堂(IY)による「SEJ・IY・パートナーシップ」に由来する。その名の通り、店内は従来のセブンと食品スーパーを掛け合わせた構成になっている。売場面積は88坪で通常店の1.5倍以上、商品数も5300と通常店の2倍ほどである。

 全体として通路が広く、2人が難なくすれ違える広さだ。大まかには、店舗の東側4割がコンビニ、西側6割の面積がスーパーという構成になっている。コンビニスペースには通常のセブン-イレブン店舗と同じく、ドリンクや弁当、おにぎり、パンやカップ麺などが並ぶ。商品自体も通常のセブンと変わらない。たばこも販売し、入口側にはATMが設置してある。

●どっちつかずの店舗で、結局コンビニ商品が売れている

 西側には生鮮や加工食品、冷凍食品などが並ぶ。生鮮は精肉と青果が主で、魚は少ない。精肉は最大でも1パック200グラムほど、にんじんや玉ねぎは2個入りで提供するなど、1~2人暮らしにちょうど良いサイズが特徴だ。筆者が訪問した際の価格帯は、国産豚挽肉が100グラムで151円、国産豚小間切が100グラムで146円。にんじん・玉ねぎは2個入りで150円で、一般的なスーパーと比較して決して安くはない。隣のオーケーと比較すれば、その差は歴然だろう。

 加工食品や総菜は、パック入りの「セブンプレミアム」商品が多い。セブンプレミアムは食品を主とするPB商品で、セブン-イレブンやイトーヨーカドーで販売している。冷凍食品も他と同様、メーカー品を陳列しつつ、PB商品が多い。その他、トイレットペーパーや洗剤などの消耗品を陳列している一角もある。

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