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“冬の登山用品”から着想? ワークマンの「お部屋用ブーツ」が売り切れ続出、開発の経緯を担当者に聞いた

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月2日 6時10分

“冬の登山用品”から着想? ワークマンの「お部屋用ブーツ」が売り切れ続出、開発の経緯を担当者に聞いた

ワークマンの「ルームブーツ」が好調、どんな商品に?(出典:ワークマンのプレスリリース、以下同)

 ワークマンが2020年の冬から販売している「HEYA ルームブーツ」(1280円)が好調だ。初年度に約3万点を販売したところ想定以上の反響があったといい、2021年には5万点強、2022年には約12万点、2023年には約13万点と年々増産を続けている。支持される背景を開発担当者に聞いた。

●「テントシューズ」から着想

 HEYA ルームブーツはその名の通り、ワークマンが展開しているブーツ型の室内履きだ。中綿が詰まったダウンのような厚みが特徴となっている。

 企画のヒントとなったのが、アウトドア用品の「テントシューズ」だ。テントシューズとは、冬の登山やキャンプにおいて、テント内で着用する防寒用の靴。「テントシューズのアウトドアショップでの相場は1万~2万円ですが、『これを980円で提供したい』というところから企画をスタートしました」と開発担当者は話す。

 開発に当たっては、キャンプでも使用できる一方、室内履きとしても使える「二度おいしい」商品を目指すことに。アウトドア好きにとどまらず、よりボリュームのある一般層に広く訴求できるように、名称には「HEYA(=部屋)」というシリーズ名を冠したという。

 開発に当たっては、保温性と軽量性、そして「洗濯機で丸洗いできる」手軽さにこだわった。中綿を「シート状の綿」と「ふわふわの綿」との二層構造とすることで、洗濯機に入れても綿が偏りにくく、乾かしたときに元通りに履けるように工夫したという。

 また、これまで販売してきた防寒着の技術も生かしている。2022年からラインアップに加わった「HEYA ルームシューズ」(1280円)は、ルームブーツよりも丈を短めにした商品。ルームブーツのように、足首までは温かさを確保できないが、その代わりに同社がワーキングウェアに用いている素材「ブラックアルミ」をアッパーの内側に使用した。ブラックアルミは、ワーキングウェアに用いる素材「裏アルミ(アルミをコーティングプリントした素材)」の1つで、とりわけ保温性の高いものだという。

●売れ筋は無地

 2020年に発売した当時の価格は980円。約3万点を売り出したところ、コロナ禍による室内需要の増加や、“密”を防げるとの理由による「アウトドアブーム」も追い風となり、順調に売れたという。

 そこで翌2021年には5万点強に増産したが、想定以上の売れ行きで完売が続出したという。2022年には約12万点に増産した。さらに「より脱ぎ履きがしやすいものが欲しい」という声を受けて、この年からは「ルームシューズ」も発売し、11万点を売り上げた。

 2023年も、ルームブーツは約13万点、ルームシューズは約14万点と安定して推移。「SNSでも『温かそう』『温かい』といった反響が多いです。『もっと温かくしてほしい』という声はまだ頂いていませんので、温かさに一定の評価はいただいていると思います」と担当者は話す。

 購買層の男女比を見ると、ルームブーツは男性54%・女性44%、ルームシューズが男性が49%・女性が51%とおおむね均等に。世代別で見ても幅広く売れているという。

 2022年からはお客の要望を受け、チェック柄などデザインのバリエーションを増やした。しかし、「当初から販売している無地が売れ筋です」と担当者は話す。保温性を前面に押し出しつつ、ベーシックなデザインを中心としたラインアップが、幅広い層に届く要因となっているようだ。

 寒さが本格化する中、ワークマンのルームブーツとルームシューズはこの冬、どこまで売り上げを伸ばせるか。

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