テレビ離れでも「お茶の間回帰」? Amazon、“奇跡の9連休”に向けFire TV強化
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月5日 7時40分
“お茶の間向け”にFire TVを訴求するAmazon(発表会にて編集部撮影)
アマゾンジャパンが年末年始に向け、オンライン動画コンテンツの視聴を可能にするデバイス「Fire TV」シリーズの展開を強化している。
アマゾンジャパンの調査によると、“テレビ離れ”が進む中でも「家族やパートナーと、自宅の大画面で配信コンテンツを視聴する人」は増加しているという。同社が着目しているのが、動画コンテンツの消費における、ユーザーのとある変化だ。
●コロナ禍で視聴スタイルに変化
アマゾンジャパンは10月10~15日、家族やパートナーと同居する15~79歳の男女1400人を対象に、テレビ画面でのコンテンツ視聴に関する調査を実施。その結果、「家族やパートナーと毎日テレビ画面でコンテンツを視聴している」人は、55.1%と半数以上を占めた。
また、家族・パートナーとの時間を重要視する人のうち、約4割がこの数年で「テレビ画面でコンテンツを視聴する機会が増えた」と感じていることが明らかになった。Amazonデバイス Fire TV事業部 事業部長の西端明彦氏は「テレビの大画面にお客さまが戻ってくるという『お茶の間回帰』が生じている」と話す。
「2010年代にはスマホやタブレット端末、Youtubeの普及でテレビ離れが起きたが、2020年以降、コロナ禍により在宅時間が増加した。TV番組の見逃し配信など、コンテンツ自体が充実したこともあり、自宅の大画面でこれらを観る傾向が強まったのではないか」(西端氏)
●家族で「推し活」の傾向も
また、同社が注目するのが「推し活」によるコンテンツ視聴だ。同調査によれば、推し活をしている人のうち、3人に1人が「家族やパートナーと一緒に推し活をしている」という結果に。その大多数が、テレビ画面で一緒に動画コンテンツを視聴しているという。
メディアコンサルタントの境治氏は「『お茶の間回帰』と言っても、一昔前のように、家族全員で放送を観るのとは違う。自分の好きなコンテンツを、自分の好きな人と楽しむようになっている」と分析している。
アマゾンジャパンはこうした消費行動に着目し、年末年始に向けて「お茶の間での配信コンテンツ視聴」をアップグレードする商品として、Fire TVの訴求を強化する。11月には、国内で初登場となるサウンドバー「Fire TV Soundbar Plus」を発売。SNSでのプレゼントキャンペーンを開催するほか、11月29日~12月6日に開催するブラックフライデーでも、最大50%の割り引きを実施する。
「最大9連休」となることで注目を集める2025年の正月。新たな視聴スタイルに着目した同社のアプローチは、Fire TVのさらなる伸びにつながるか。
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