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目線の“低さ”がポイント? じわじわ広がる「みまもり自販機」の正体

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月17日 7時15分

目線の“低さ”がポイント? じわじわ広がる「みまもり自販機」の正体

防犯カメラ付きの「みまもり自動販売機」、200台が稼働

 防犯カメラが付いた自動販売機が、じわじわと全国に広がっている。2018年にキリンビバレッジ(以下、キリン)が地域の防犯目的で東京の足立区に設置し、その後、アサヒ飲料やダイドードリンコなども同様の取り組みを開始している。

 キリンが開発した防犯カメラ付き自販機は「みまもり自動販売機」の名称で展開しており、首都圏を中心に全国の公園や商店街などに約200台が設置されている。

 商品見本の部分に防犯カメラが取り付けられており、構造としてはシンプルだが、目線の高さにカメラがあることで街灯に設置された防犯カメラよりも犯罪抑止や犯人逮捕につながりやすい側面があるという。

 「みまもり自販機」のメリットや運用、今後の展望をキリンビバレッジ 広域法人・自動販売機営業部 部長代理 馬返健二氏と、同専任部長 安藤恵理氏に聞いた。

●足立区から始まり、全国に約200台設置

 キリンでは、2018年に最初の「みまもり自販機」を足立区に設置。その後は首都圏を中心に台数を増やしていき、2023年から設置エリアを全国に拡大している。その背景には、社会課題の解決と経済的価値の創出を両立させるCSV経営の先進企業を目指す、という同社のビジョンがある。

 「いつでも飲料を購入できる利便性や広告のような価値に加えて、地域の安全・安心に貢献する取り組みとして防犯カメラ付きの自販機を開発していたところ、足立区西新井の自治体や警察の方からともに防犯に取り組めないかと相談をいただき、最初の設置に至りました」(安藤氏)

 足立区では商店街の駐車場やスーパーに設置し、地域全体で防犯に役立てる狙いがある。その後、埼玉県深谷市、神奈川県藤沢市、東京都北区などにも広がり、現在は全国に約200台を設置している。

 設置場所の内訳は「公園」が43%で最も多く、次いで「店頭・店舗敷地」(16%)、「公共施設」(15%)、「駐車場」(12%)と続く(2024年9月末時点)。

 「公園での設置が多いのは、当社が積極的に公園と交渉を進めてきた背景があります。お子さんの出入りも多い公園は安全・安心のために防犯カメラの設置が必要だと考えますし、地域住民のみなさまにも公園に防犯カメラを設置してほしいという要望が多くあります。一方で、公園には防犯カメラの設置台数が非常に少ない実情があります」(馬返氏)

●目線の高さで撮影すると顔が隠れづらい

 「みまもり自販機」は商品見本の部分に小型のカメラを搭載し、24時間にわたって自販機の周囲を撮影している。カメラは最新型のCMOSセンサーと明るいレンズを採用しており、夜間でもカラーでの撮影が可能だ。

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