出張族が悲鳴! 都内ホテル「1万円の壁」どころか2万円台へ なぜこんなことになるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月19日 5時55分
高騰する都内のホテル、どのような背景があるのか(出所:ゲッティイメージズ)
東京のホテル価格が高騰している。RevPAR(1日に販売可能な客室当たりの売り上げ)は、2019年の1万円前後からコロナ禍で暴落したものの、2023年末に1万4000円を突破。今年の11月は1万8308円となった(東京ホテル会調べ)。
地方の旅行者や出張族がホテル選びに苦戦するという話も聞かれる。インバウンドの増加が主要因とみられるが、どのようなメカニズムが働いているのか。業界関係者に取材した。
●都内で1万円未満はレア 週末にいたっては相場が倍に
都内ホテルのRevPARはコロナ禍の2020~21年こそ5000円以下まで下落したが、2022年末に1万円を突破。以降も上昇を続け、今年の3月には1万5000円を超えた。8~9月は1万3000円台まで下落したが、再度急上昇し、11月には1万8308円となった。11月の客室稼働率も91.6%と高水準である。
12月18日からオンライン予約サイトで1泊のホテルを探すと、23区内の一般的なビジネスホテルは1人1万円を超える。1万円以下で泊まれるのはカプセルホテルか、半分民泊のような施設、評価の低いホテルが目立つ。
休日はさらに高騰する。21日の宿を探したところ、カプセルホテルでも1万円を超え、ビジネスホテルは軒並み2万円超だ。高級ホテルではないにもかかわらず、1泊3万円以上の宿も見られる。OTA(オンライン旅行会社)関係者は次のように話す。
「昨今は、都内の大手ビジネスホテルで1万円を下回ることはありません。インバウンドに人気の山手線沿いが特に価格を引き上げています。国内出張者が多く泊まる日本橋界隈も、運が良くない限り1万円以下で泊まれることはありません」
●数は少ないが“太客”なのがインバウンド
ホテル価格高騰の主要因はインバウンドの増加とされるが、具体的にはどういうメカニズムで値段が決まるのだろうか。
「近年の高騰はインバウンド急増による実需に伴った動きですが、2つのパターンが見られます。1つは、官公庁が公表しているインバウンドに関連する統計や国当たりの消費額データを基に、価格を決定するものです。もう1つが、周りのホテルに合わせる手法で、インバウンドをメインターゲットにしないホテルはこちらの要因で値上げする傾向が見られます」(OTA関係者)
都のデータを見ると、2023年度の旅行者数は日本人が4億7456万人、外国人が1953万人で、日本人がケタ違いに多い。一方、宿泊数では日本人の多くが「2泊以下」なのに対し、外国人は2泊以下が15.4%に過ぎず、3泊が16.9%、4泊が18.1%。7泊以上も25.9%で、数が多いのは日本人だが、外国人の方が“太客”であり、ホテル価格への影響もそれなりにあると考えられる。
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