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田舎の普通の定食屋がなぜか混んでいるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月19日 8時10分

 駅前の店なら会社員や学生、住宅街の店なら近隣住民、街道沿いならトラックやタクシーのドライバーなどを囲い込むことによって収益が安定します。

 また、飲食店が豊富にある都市部と比べると、地方はリピーター獲得の競争が緩くなります。飲食できる店が少ない、またはその店しかないため、食べたい人はそこに通うしかなく、必然的にリピーターになるのです。

 これも地の利であり、飲食店以外にも同じことがいえます。地域に病院が1つしかなければ、住民はその病院に通います。車の修理工場もスーパーマーケットもあらゆる業種において、消費者にとって「ここに頼むしかない」という状況であれば、リピータを維持でき、収益が安定します。

 新たな市場への進出を目指す事業者側から見ると、そのようなブルーオーシャンを見つけられるかどうかが重要です。

 日本全体の人口は今後も減少しますし、地方から都市部への人口流入も続くでしょう。しかし、人が多ければ事業が成功するわけではありません。

 重要なのは市場で勝ち残ることで、中長期で安定的に事業を続けていくためには、競合が少なく、価格競争が起きにくい地方に目を向けてみるのも一つの手です。

 猛者がシェアを奪い合う都市部の市場よりも、競合が少ない地方のほうが新規参入に有利な場合もあるのです。

●著者プロフィール:菅原由一(すがわら・ゆういち)

SMG税理士事務所・代表税理士。現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は登録者数80万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。

 ※この記事は、菅原由一氏の著書『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。

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