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ドンキの隠れた人気商品「きくらげ」だけの中華丼 開発者が「偏愛を体現した商品」と語る背景

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月23日 8時0分

ドンキの隠れた人気商品「きくらげ」だけの中華丼 開発者が「偏愛を体現した商品」と語る背景

開発者のこだわりを反映した「偏愛めし」(編集部撮影)

 ドン・キホーテは、2023年11月に弁当・総菜の新ブランド「偏愛めし」を立ち上げた。「みんなの75点より、誰かの120点」をコンセプトに、開発担当者の食に対する個人的なこだわりを強く反映した商品を展開している。同社が2024年10月に発表した人気ランキング(販売数)を見ると、男女ともに「あんだく溺れ天津飯」(430円)、「ジュ―シィ焼鳥ゴロっと丼」(538円)、「欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼」(646円)が上位を占めた。

 偏愛めし商品開発責任者の犬塚康太氏によると、人気ランキングの上位には入らないものの、コアなファンから支持される隠れた人気商品があるという。8月1日に発売した「きくらげ中華丼」(430円)だ。

 きくらげ中華丼は、具材の全てがきくらげで構成された中華丼だ。開発のきっかけは、社員のある気付きだった。

 中華丼を食べるとき、人気の具材であるウズラの卵やエビは、数量や食べ方(最初に食べる、最後の1口に残しておくなど)を意識する。だが、苦手な人が少ないきくらげは、知らないうちに食べてしまう。「なくなってから、あのコリコリしたきくらげの食感が欲しくなることに気付きました」(犬塚氏)。そこで具材を「きくらげ」だけにした中華丼を開発。きくらげだけの真っ黒な中華丼を見て、犬塚氏は「この見た目で通用するか不安でした」と振り返る。

 犬塚氏の不安をよそに、SNSを中心にきくらげ中華丼はじわじわと人気を拡大。売り上げランキング上位には入らないものの、コアなファンを獲得していった。購入者からは「きくらげを思い切り食べたかった」「きくらげの量が多すぎるとつらい」といった意見が寄せられているという。こうした意見について犬塚氏は、「偏愛めしのコンセプトは『みんなの75点より、誰かの120点。』であり、きくらげ中華丼はそれに合致した商品になっているのでは」と分析する。

 2023年11月のブランド立ち上げから、偏愛めしはこれまで55種類を商品化した。2024年10月時点の累計販売数は400万個で、累計売上金額は12億円を突破したという。偏愛めしの開発に当たり、犬塚氏はおいしさに加え、「みんなの75点=定番商品に近づかないこと」を意識しているという。

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