NEC「ブルーステラ」誕生の舞台裏 コンサル人材を自社で育成する強みとは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時41分
NECマーケティング&アライアンス推進部門長の帯刀繭子さん
NECが5月、新たなDXブランドとして価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)を立ち上げた。これまでの「御用聞き」の営業方法から、市場環境を把握・分析し、顧客の課題を引き出して、解決に乗り出す手法に変えていく構えだ。
こうした動きは、同業他社も進めてきている。2016年には日立製作所がLumada(ルマーダ)を立ち上げた。2021年10月には富士通が「Fujitsu Uvance」(富士通ユーバンス)、2024年5月にはNEC以外でもKDDIが「WAKONX」(ワコンクロス)、三菱電機が「Serendie」(セレンディ)を、それぞれ始めている。
ブルーステラは、大航海時代に船乗りの羅針盤の役目を果たしていた一等星「シリウス」を指す、イタリア語の「青い星」から名付けた。既存顧客の事例を類型化した「シナリオ」を軸に展開しているのが特徴だ。
なぜNECは、新たにDXブランドを設立したのか。その強みは? ブルーステラのブランド推進に携わるマーケティング&アライアンス推進部門長の帯刀繭子さんに聞いた。
●ブルーステラ誕生の経緯 コンサルに生成AIをフル活用する強みとは?
――ブルーステラを立ち上げた経緯について教えてください。
当社は2019年からDXを推進しており、社内で専任の体制を作り、上流からのコンサルタントを育成しつつ、「オファリング」と呼ばれる提案型の営業と、グローバルアライアンスに力をいれて、顧客のDXを進めてきました。
当社には「DX経営の羅針盤」という毎年継続的に実施している調査があるのですが、それによれば、DXの必要性を感じている企業は少なくないにもかかわらず、自社の変革に至るようなDXについては十分な成果が出ていない企業が多いことが分かりました。こうした結果を鑑みて、あらためてこれまでのDXの取り組みを体系化、集約したのがブルーステラ設立の流れになります。顧客の置かれている市場を分析し、仮説を持って課題を聞く、より提案力の強いやり方にわれわれも変えなければならないと考えています。
――近年、国内大手がブランドを相次いで設立しています。なぜNECもこの動きに続いたのでしょうか。
当社もブランドを設立する動きについては2019年以降、長年議論していました。しかし当初は、ブランド設立に対して、そこまで前向きではありませんでした。ブランドが先行してしまうと、社内がそれに引きずられてしまうことを危惧したからです。その代わりに、DXオファリングを顧客に迅速に提供する共通基盤「NEC Digital Platform」を2022年に発表しました。これはブルーステラの前身になります。
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