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360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月26日 6時10分

360度くるくる回せる「焼き鳥器」が人気 開発のきっかけは、行きつけ店の閉店

360度くるくる回せる「焼き鳥器」、開発の舞台裏は?

 「焼き鳥器なのに煙が出ない!」――。応援購入サービスの「Makuake」で、話題になっている商品がある。「真剣にふざける」をモットーに革命的なモノづくりに挑戦する企業、ガードナー(福岡市)が開発した「YAKITORiLL(ヤキトリル)」だ。

 Makuakeで行っている先行販売(12月25日まで)では、既に目標を大幅に上回る金額を突破。購入者からは「煙が出ないのですごく使いやすい」「手羽先や厚揚げなど、いろいろ焼けるのも便利」などの声が届いている。

 ヤキトリルはどのようにして誕生したのだろうか。開発のきっかけや狙いを、開発者の椿拓巳さんに聞いた。

●「串パ」文化を日本の食卓に

 ヤキトリルは、焼き鳥だけでなく海鮮や菓子類など、串にさせるものなら10段階の火力を調節してさまざまな串焼きが楽しめる商品だ。オーブントースターのようにコンセントにさせばすぐに使えて、片付けるときは油受けのトレーを洗うだけという手軽さも特徴だ。

 この商品にかける思いとして、椿さんは「鍋パ(鍋パーティー)、タコパ(タコ焼きパーティー)に続く新たな“パ文化”として、串パ(串焼きパーティー)を日本の食卓に広めていきたい」と語る。

 開発のきっかけは焼き鳥屋の閉店だった。焼き鳥好きの椿さんが通っていた店がコロナ禍で閉店。その際、「家で手軽においしい焼き鳥がつくれないか」と考えたことが始まりだった。

 試作品をつくることになるわけだが、同社は自前の工場を持っていない。ということで、社員はホームセンターなどで必要な材料を調達して、自ら手を動かしていく。ヤキトリルについても、DIYで試作品をつくるところから始めた。

 煙が出ない仕組みは、開発の初期段階で発見した。「熱源を具材から離れた上部だけに持ってくることで、煙が出ないことが分かった。ラッキーだった」と振り返る。なぜ熱源を上だけにしたかというと、あえて串を自分で360度手動で回転させる仕組みにしたことで、上下に熱源を置く必要がなかったからだ。

 全自動で串が回る仕組みも検討した。しかし手間がかからない分、楽しさが感じられなかった。焼き鳥を自分たちで焼く行為が思ったより楽しかったので、あえて手動にして焼き鳥を楽しむ体験重視の方向にシフトした」という。

●約3年かけてついに発売

 開発期間は約3年で、同社の他商品と比較して長い時間を要した。どのような苦労があったのだろうか。

 同社にとって、ヤキトリルは初めての家電商品だった。ということもあって、まずは家電について調査するところから始めた。現在の形になるまで、ヒーター管の選定から火力調整まで、トライアンドエラーにかなりの時間をかけたという。

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