1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

累計2億円売れたドンキの“固すぎる”Tシャツ 社内から反対も、開発者が「いける」と判断したワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月28日 8時5分

累計2億円売れたドンキの“固すぎる”Tシャツ 社内から反対も、開発者が「いける」と判断したワケ

ドンキの“固すぎる”Tシャツが好調(提供:ゲッティイメージズ)

 ドンキの“固すぎる”Tシャツが好調だ。2023年11月に発売した「エレファントTシャツ」は、生産の遅れから当初は苦戦していたものの、今年に入って消費者の認知が少しずつ拡大。現在は長袖タイプと半袖タイプ(いずれも店舗上限価格3289円)を展開しており、累計売り上げは2億円を突破した。開発を担当したMD本部の向剛史氏によると、「計画比200%超えの売れ行き」だという。

 エレファントTシャツは、ヘビーウェイトTシャツの一種だ。ヘビーウェイトTシャツとは、生地が厚く丈夫で型崩れしにくいTシャツのこと。生地が厚いため、お腹周りなどボディーラインが目立ちにくく、インナーなしでも着ることができる。

 ヘビーウェイトTシャツの特徴は生地が分厚いことだが、中でもエレファントTシャツは群を抜いている。一般的なヘビーウェイトTシャツは6~7オンス(重さを表す単位であり、これにより生地の厚みが分かる)だが、エレファントTシャツは13オンス。パーカーとほぼ同じ厚みだ。

 発売当初は長袖のみだったが、今年5月に半袖タイプを追加した。首元はどちらもクルーネック(丸く詰まったデザイン)タイプで、カラーはホワイトとブラックの2色展開。サイズはM、L、LLの3種類を用意した。

●コスト面で社内からは反対意見も

 ヘビーウェイトTシャツの愛用者だという向氏は、通常のヘビーウェイトTシャツに物足りなさを感じていたという。「さらに生地を厚く、固くしたら、ヘビーウェイトTシャツの良さをより生かせるのではないかと考えました」。そこで周囲のヘビーウェイトTシャツ愛用者に「ヘビーウェイトTシャツの生地を厚くして、さらに固くした方が良いと思うか?」と聞いて回ったところ、ほぼ全員が「肉厚でガチガチに固いのが欲しい」と回答。開発に着手した。

 開発に当たり、向氏は徹底的に肉厚で固いヘビーウェイトTシャツを目指したという。加工で生地自体を固くする方法もあったが、固さを長期間持続させるため、原料である糸を生かす方法を探した。多くの糸を使用する分コストも高くなるため、社内からは反対意見もあったが、向氏は「より生地が肉厚で固いヘビーウェイトTシャツにはニーズがある」と説得し続けたという。

 複数の協力会社の協力を得て試作を繰り返し、太い糸を密度を詰めて編み立てることで肉厚かつ固い生地を実現。構想から約4カ月かけて製品化した。生地の固さや重厚感から力強くて肌も丈夫な象を連想し、「エレファントTシャツ」と名付けた。

 当初は生産の遅れから発売日が約2カ月ずれ込んだため、苦戦していたエレファントTシャツ。しかし、2024年に入ってから消費者の認知が少しずつ拡大し、売れ行きも上向いた。「ファッション系YouTuberがエレファントTシャツを紹介してくれるなど、他の商品にはない反応がありました。半袖タイプは発売直後から好調に推移しています」

 現在はホワイトとブラックの2色展開だが、2025年の春夏シーズンからはアースカラー系を2色ほど追加予定だ。今やドン・キホーテが展開するアパレルの定番商品となったエレファントTシャツは、どこまで支持を伸ばせるか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください