なぜ経営難に陥る「神社」が増えたのか? 神社本庁システムの“限界”に迫る
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月1日 6時20分
神社がじわじわ減っている、なぜ?
新しい年になって真っ先に向かうスポットといったら、やはり「神社」ではないだろうか。
東京ならば明治神宮、大阪ならば住吉大社という感じで、各地の人気初詣スポットには三が日にすさまじい数の参拝客が訪れる。「もう行ってきたよ」という人も多いはずだ。
さて、そんな感じで大混雑の神社へ向かい、押し合いへし合いしながら賽銭箱に近づいているとき、おそらく誰もが一度はこんなバチ当たりなことを考えたのではないか。
「これだけの人がジャラジャラと金を投げ入れて、中には万札とかも放っている人もいる。しかもこれ全部、非課税だろ? やっぱ神社ってもうかってんだろうなあ」
しかし、それにはちょっと誤解がある。例えば、明治神宮は初詣で8億円以上の収入があるといわれている。ソニー生命保険が2019年行った「47都道府県別 生活意識調査2019」では、お賽銭の全国平均は286円。明治神宮の初詣には例年300万人以上が訪れると試算されているため、単純計算で8億円を超える。
だからといって明治神宮がウハウハということではない。神宮外苑地区再開発にまつわるニュースで、神社関係者が厳しい台所事情を明かしている。
「明治神宮は初詣の参拝者が日本一多いといわれるが、実際の財政は、スポーツ施設や結婚式場の明治記念館の使用料収入など、外苑の稼ぎに頼る構造になっているという」(東京新聞 2022年4月23日)
多くの参拝客が訪れる有名神社でさえ、賽銭や祈祷料などの「宗教活動収益」だけでは食べてはいけないのだ。全国にある地元密着型の小さな神社の経営がさらに厳しい状況にあるのは容易に想像できよう。
それがうかがえるのが、「神社の激減」だ。
●神社の数は年々減っている
文化庁の統計によると、神社の数は1994年に8万1424社あったが、2024年には7万8689社となり、この30年で2676社が消滅している。このペースはこれから急激に加速していくとされ、2040年には今から3万8000ほどの神社が消滅し、4万程度にまで減ってしまうという予想もある。
なぜ、本来は「非課税」で経営しやすいはずの神社がバタバタと倒れているのか。諸説あるが、最近問題になっているのは「上納金」の負担の重さだ。
ご存じのない方も多いだろうが、実は神社もコンビニやファミレスなどの「フランチャイズチェーン」と似たシステムを導入している。
2024年の「宗教年鑑」(文化庁)によれば、日本全国の「神社」は7万8689社あるのだが、その中で7万8251社が加盟しているFC本部のような存在がある。
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