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「まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えない」 Visa日本法人社長が語る“野望”

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月2日 8時10分

「まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えない」 Visa日本法人社長が語る“野望”

ビザ・ワールドワイド・ジャパン シータン・キトニー社長(筆者撮影)

 タッチ決済の利用が着実に広がりを見せる中、Visaは新たな成長戦略を打ち出している。現在、国内でのタッチ決済対応カードは約1億4000万枚に達し、Visaの対面決済の45%がタッチ決済で行われるまでに普及した。

 次の一手として、オンライン決済の安全性を高める「トークン化」の展開を加速させる。約20カ月前に就任したビザ・ワールドワイド・ジャパンのシータン・キトニー社長に、これまでの成果と今後の戦略を聞いた。

――就任から約1年半が経過しました。この間のVisaの取り組みについて教えてください。

 Visaの日本市場でのビジョンは、この5年間一貫しています。約20カ月前に日本に着任した際も、同じビジョンを掲げました。それは、消費者が決済の安全性や利用可能店舗を気にする必要のない環境づくりです。パートナー企業と協力して、日本での支払いを消費者が意識しないほど自然で、日常生活の一部となるものにしていきたいと考えています。

 その一環として、スマートフォンなどを活用したタッチ決済の普及を進めています。現在、約1億4000万枚のタッチ決済対応カードが市場に出回り、Visaの対面決済における45%がタッチ決済で行われています。日常的な買い物、特にレストランやコンビニ、ドラッグストア、スーパーでの利用が大きく伸びています。

 また、全国110カ所以上の交通機関でタッチ決済を導入済みで、大阪メトロなど大阪圏の主要交通機関でも利用できます。これにより、利用者は複数の支払い手段を持ち歩く必要がなくなりました。

●中小企業への導入状況に課題

――課題はありますか。

 中小企業での導入拡大が最大の課題です。まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えず、現金払いしか受け付けていない状況です。

 また、決済のデジタル化も課題です。基盤整備と並行して、お客さまと加盟店の双方にとって使いやすいデジタルサービスを作る必要があります。

 スマートフォンでの決済は急速に普及していますが、私たちが目指す利便性の高いサービスを提供できるまでには至っていません。これは今後1~2年の課題となるでしょう。

 さらに、法人間決済(B2B)分野も大きな可能性を秘めています。最も成長が速い分野の一つですが、まだ可能性の一部しか実現できていません。

●大阪での認知度向上に手応え

――大阪エリア振興プロジェクトについて、その成果をどう評価していますか。

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