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「まだ日本では数百万の店舗でVisaが使えない」 Visa日本法人社長が語る“野望”

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月2日 8時10分

 まず大阪で、これまでにないタッチ決済の普及に向けたさまざまな販促活動や、利用者や加盟店へのアプローチを試みました。金融機関やメディア、自治体と協力し、他地域と異なる成果を目指しています。

 開始から8カ月で、タッチ決済の認知度は全国平均より5%高くなり、月間約200万件の利用があります。2023年と比較した利用増加率も大阪が約120%と、全国平均の約115%を上回っています。スマートフォン決済の普及も全国より速いペースです。

 特に成果を感じているのは、若い世代でのブランド認知向上です。従来、中高年層ではVisaカードの認知度は高かったのですが、Z世代(10代後半~20代前半)への浸透が課題でした。

 各社や行政と連携した新しいマーケティング手法により、Z世代のVisaブランドへの印象が大きく改善しました。日常生活での便利さを実感してもらえるようになってきています。

――このモデルを他地域にも展開する計画はありますか。

 成果には手応えを感じており、他地域への展開も視野に入れています。ただし、大阪では18カ月かけて実験、検証、改善のサイクルを回すことを約束しました。まずはこれを完了させたいと考えています。とはいえ、次の展開地域の検討は始めています。

●2025年の重点施策は?

――2025年度の重点施策について教えてください。

 5年前に設定し、私の着任時に再確認した目標を継続します。日本の決済システムを、利用者と加盟店にとって世界で最も先進的な、個人のニーズに合わせたものにしたいと考えています。

 そのために、まず利便性を高めるための基盤整備を続けます。タッチ決済の拡大と並行して、セキュリティ強化としてのトークン化(カード情報を別の記号に置き換えて保護する仕組み)にも注力します。これにより、オンラインでもリアル店舗でも、スマートフォンを使った独自の利用体験を提供できます。

 スマートフォンでの支払いや新しい決済体験の普及も進めます。加盟店も増やしていきます。最終的には、お客さまがVisaカード1枚あれば、その日必要な全ての支払いができる環境を目指します。

 また、法人間決済への本格参入も計画しています。この分野は大きな可能性があり、金融機関各社も成長を期待しています。Visaの決済システムを活用することで、日本企業の業務効率化や改善につながると考えています。

●ブランドイメージ低下の懸念は?

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